吾輩は猫である(4) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「吾輩は猫である」その(4)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
主人とその仲間の会合のあと、猫の「吾輩」は、敵情視察ということで、たった一匹で金田家に乗りこんでいったんですよ。そこに金田の鼻という女と、その夫と、娘とが、いろいろと話していて……。主人の知り合いの「寒月」は、この金田の娘と結婚する可能性があるわけなんですが、あの娘とは結婚しちゃいけない、という展開になる。なんでこんなつまんない話を読まなきゃイカンのだ、と思いました。これをいったいどう楽しめば良いのか……。
 
 
まるでどうでもいい雑学ですが、漱石は奥さんである「かみさん」を「神さん」と書くんですよ。他にも、宮本百合子も奥さんのことを「神さん」と書いていたし、昔は普通の書き方だったんだなと思いました。 
 
 
同じことを繰り返しやっちゃうのが、人間や猫の特徴で、これによって習慣というものができた。習慣は偉大で、生活をかたちづくり…………。なにかこう、小説として面白いと言うよりも、漱石の考え方がでてくると面白いなと思いました。土地の占有というのはおかしい発想なんだとか、空間のばら売りなんてできないだろうとか、ベニスの商人をもとにいろいろ書いているのかもしれないんですが、縄張りなんてもんは無効だと、猫は言う。それでどこまでも入っていってしまう。
 
 
猫と人間の関係が、本文にこう記されています。
 
  理はこっちにあるが権力は向うにあると云う場合に、理を曲げて一も二もなく屈従するか、または権力の目をかすめて我理を貫くかと云えば、吾輩は無論後者をえらぶのである。
 
 
猫はなぜだか、金田邸に出向く癖ができた。漱石は、「探偵」という言葉をものすごく独特に使うんですが、処女作の第4章にもさっそく記されていました。
 
 
金田家では、主人や寒月たちに対して、こんな事をいうんですよ。ギョッとしました。

  一体少し学問をしているととかく慢心がきざすもので、その上貧乏をすると負け惜しみが出ますから――いえ世の中には随分無法な奴がおりますよ。自分の働きのないのにゃ気が付かないで、無暗むやみに財産のあるものに喰って掛るなんてえのが――まるで彼等の財産でもき上げたような気分ですから驚きますよ
 
  いや、まことに言語同断ごんごどうだんで、ああ云うのは必竟ひっきょう世間見ずの我儘わがままから起るのだから、ちっとらしめのためにいじめてやるが好かろうと思って、少し当ってやったよ
 
 
今、ツイッターでしきりに起きていることとまったく同じことが書かれていて衝撃でした。それから、逍遙学派のことがすこし書かれていました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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