源氏物語 螢

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今日は源氏物語の螢を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、娘として育てようと引き取った玉鬘に、源氏は若い恋人をあてがおうとするのですが、義理の娘をなんとか美しく見せたいという、そういう親心で、源氏は玉鬘の部屋に螢を放つんですね。そうするとたいへんに幻想的で、玉鬘の姿も美しく見えて、兵部卿(ひょうぶきょう)の宮は、ほんとうに恋に落ちてしまうわけです。ほんとうの娘ならば、父は言い寄ってくる男を無闇に撃退しようとするわけですが、源氏と玉鬘は義理の親子関係であり、育ての親ですから。やっぱり恋愛をうまく体験させてやりたくなる。しかし、どうもこう、源氏と玉鬘の関係性は微妙な気配が漂うのであります。親として子を相手にしていると言うよりも、男として幼い女を相手にしているふうです。
 
 
玉鬘は、恋人が多い源氏との恋愛感情が深まることを嫌って、それで若い宮と恋愛をしているふりでもしていれば、面倒な恋愛に巻きこまれなくて済むかな、とか思っています。紫式部は、若い女の超然とした気分を描くのがすっごく上手いと思うんですが。今回の恋は、読んでいてすごく見えやすいというか、実感しやすいように思います。してはならない源氏と玉鬘との恋。薦められているのだけれど乗り気になれない兵部卿の宮と玉鬘との恋。この2つの恋が描写されています。三角関係ですね。
 
 
この一文が印象的です。
 
不幸だったころと今とがこんなことにも比較されて考えられる玉鬘は、この上できるならば世間の悪名を負わずに済ませたいともっともなことを願っていた。
 
 
源氏は玉鬘に「文学」についてこう語ります。
「この嘘ごとの中にほんとうのことらしく書かれてあるところを見ては、小説であると知りながら興奮をさせられますね。可憐な姫君が物思いをしているところなどを読むとちょっと身にしむ気もするものですよ。」
 
 
千年前に書かれた文学論だとは思えないような現代性があってちょっと驚きます。
 
 
前回のあらすじ(wikipediaより)
光源氏36歳の春から夏の話。3月20日頃、源氏は春の町で船楽(ふながく)を催し、秋の町からも秋好中宮方の女房たちを招いた。夜も引き続いて管弦や舞が行われ、集まった公卿や親王らも加わった。中でも兵部卿宮(源氏の弟)は玉鬘に求婚する一人で、源氏にぜひにも姫君をと熱心に請うのだった。翌日、秋の町で中宮による季の御読経が催され、船楽に訪れた公卿たちも引き続いて参列した。紫の上は美々しく装った童たちに持たせた供養の花を贈り、中宮と和歌を贈答した。夏になり、玉鬘の下へ兵部卿宮、髭黒右大将、柏木らから次々と求婚の文が寄せられた。それらの品定めをしつつ、いつか玉鬘への思慕を押さえがたくなった源氏は、ある夕暮れにとうとう想いを打ち明け側に添い臥してしまう。源氏の自制でそれ以上の行為はなかったものの、世慣れぬ玉鬘は養父からの思わぬ懸想に困惑するばかりだった。


 
 
 
 
 
 



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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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