さるかに合戦と桃太郎 寺田寅彦

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今日は寺田寅彦の「さるかに合戦と桃太郎」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは童話の使われ方について書いている評論文です。
日本の童話で一番有名なのは、やっぱり「さるかに合戦」と「桃太郎」だと思います。古い作家でこれを書き直したのは、楠山正雄と、芥川龍之介と、そしてやや新しい人では、木下順二さんという方がおられます。芥川龍之介の日本童話は、どうも暗黒童話とでも言うのか、こわすぎて誰を読者にしているのか判らない、という内容になっています。どうも芥川龍之介は日本の童話よりも、中国や西洋の物語のほうが好きだったようです。
 
 
木下順二さんの「さるかに」という絵本を、これを大人になってから読み返すと、その言葉遣いの完全さに舌を巻くと言いますか、どの登場人物に感情移入して読んでも、満足のゆく内容なんですよ。さるかに合戦はいじわるなサルを懲らしめるという話しなんですが、この懲らしめる描写が丁寧で生き生きとしています。
 
 
木下順二さんの童話を読んだことが無かったら、ぜひ一度なにかの機会に手にとってみてください。こういう本があるから、本好きの児童が現れるんだな、と感じました。まったく同じものを扱うのでも、創作者の技術や倫理観によって、出来上がってくるものはまるで違うものになるようです。木下順二さんの「さるかに」のように、古いものを新しく作り直す人が居ると、物語好きな子どもは増えるだろうなあと思います。
 
 
ところで、寺田寅彦は共産主義者を「赤」と呼んで、けっこう否定的です。ぼくは共産主義者ではないつもりなんですが、どうも最近、莫大な金を今すぐに手に入れることしか考えていない大資本家というものに対して否定の気持ちしか持っていないので、外から見るとぼくは「赤」に見えるだろうなあと思っているのですが。寺田寅彦は、思想や解釈を押しつけるよりも、親しみやすいものにしてゆくことの重要性を説いています。
 
 


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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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