映画時代 寺田寅彦

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今日は寺田寅彦の「映画時代」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
現代の映画のたいていは、精密な写真そのものであって、きれいな写真が動いているようなものなんですが、寺田寅彦は、原始のころの映画のことを記していて、走馬灯や影絵の発展としての映画について語っています。光がさまざまな形や色を発する、ロウソクの明かりをじっと見つめているときの快楽のような、印象派の色彩豊かな世界が動いた、というような衝撃について記しています。
 
 
名前も、映像とか映画、という言葉はほとんど使わず、幻燈げんとうと呼んだ。原始のころの驚きを、それをそのまま、つまり映画創世時代のころの映像をそのまんま見ても、現代人は誰も驚かないのに、寺田寅彦の文章で読むと、その驚きと期待とがはっきり伝わってくるのがじつに謎だなあー、と思いました。
 
 
幼い頃に自分で映写機を自作しようとして失敗した。それがのちの自分の研究意欲に繋がっていった、という描写があってすてきでした。当時、東大助教授だった寺田寅彦は、1908年(明治41年)から3年間ヨーロッパに留学して、映画を見ていたそうです。
 
 
あと、100年前の海外ニュース映画の編集について寺田寅彦が語っていて、ノンフィクション映画に映しだされる、自然環境や細部の文脈を読み解く試みがなされていて、これはすごかったです。また、Youtubeの萌芽のようなもののことが論じられていて、じつに古びない人だと思いました。
 
 
こんなに自由に思索をめぐらせることができたら、あらゆることが興味深いだろうなあーと思いました。狩りの時代から農耕の時代に変わる頃のことであるとか、ものごとの原始のころには、いろんな暗い問題や、あるいは期待やおもしろさが詰まっているように思いました。
 
 
寺田寅彦の、この一文に目を見はりました。
 
 
  ほんとうを言えば映画では筋は少しも重要なものでない。人々が見ているものは実は筋でなくしてシーンであり、あるいはむしろシーンからシーンへの推移の呼吸である。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
http://akarinohon.com/center/eigajidai.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
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