白痴(32) ドストエフスキー

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今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その32を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ドストエフスキーは……父を農夫に殺されてしまった被害者遺族のはずなんです。しかしなぜか小説では加害側を重んじて書いているのが特徴になっています。しかもたまたまそういうものを書くことになったんじゃ無くって、あまたの作品で繰り返し加害者側のテロリストとしての心理を描いています。これが見かけ上のものではなくって、じっさいに暴力的人物への共感があってこれらの物語を描いたように感じられます。ちょっと調べてみると元殺人犯の永山則夫もドストエフスキーを愛読していたそうです。
 
 
ロゴージンはムイシュキンを謀殺しかけたのに、今回2人は共通の目的で一緒に行動し、共にナスターシャについてどうしたらいいのかを考えているんです。けっきょくロゴージンも入り混じって、みんなでムイシュキンの誕生日を祝うことになった。


今回も、あらゆる脇役が現れて、さまざまな感情を吐露してゆきます。wikipediaの登場人物表と同時に読みすすめました。


作中でアグラーヤの婚約者候補だったエヴゲニイ・パーヴロヴィッチがこういう指摘をしたんですよ。

公爵、あなたは実に天下に類のないおかたです。つまり、どんなことがあっても嘘を言わないおかたです。

ドストエフスキーは虚言癖のある人々を描き続けることを得意技としてきたんですけど、そういえば今回の主人公ムイシュキン公爵を描くにあたって、ウソを言わないというのを重要な個性として描いていたんだと思いました。まったく気がつかなかったんですけど。
 
 
ウソを言わずに生きるということが、白痴にしか出来ないという社会の様相がドストエフスキーによって描かれています。そういうふうに書いてきてたんだ、といきなり気がつかされてしまいました。鉛筆で光を表現するのに、陰翳をとにかく描き込むしかないわけで、ウソのない人間を表出させるには、騙す人間や虚言に包まれた人物が登場しなくっちゃいけなかったのかと、なんだか衝撃を受けました。
 
 
公爵の誕生日を祝う夜通しのパーティーに、余命幾ばくもないイッポリットが登場して、シャンパンを飲みつづけている。そこでイッポリットは太陽があがってくるのを見たいと言います。みんなすこぶる意味不明な議論を繰り広げるんです。

鉄道はのろうべきもので、それは人類を滅ぼすもので、『生命の根源』を濁らせるために地におちた毒だ

行為に対する道徳的な根拠というものをもたずに、全人類にパンを運ぶ荷車は、パンを運んでもらう一部の者の快楽のために、平然として大部分の人類をそっちのけにしかねない
 
とかいう指摘を読んでいて、インターネットで拡散するテロ事件とか、キングの映画「ペットセメタリー」を連想しました。あれは大型トラックがおそろしい事件を引きおこしてしまうところからはじまる物語なんですが。他にもものすごい不吉なことばっかりが、作中作として話されるんですけど、なぜだか明るいパーティーなのでした……。
 
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。白痴は第50回で完結します。縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/letters/dostoevskii_hakuchi32.html
(約30頁 / ロード時間約30秒)
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