林の底 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「林の底」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
かつて鳥はみんな白かった、というウソを言いはじめるふくろうの話しなんですけど……宮沢賢治の物語にしては、ずいぶん落語っぽい短編なんです。けれどもやっぱり「銀河鉄道の夜」や、「どんぐりと山猫」という物語の気配が底のほうに隠れているように思います。「猫の事務所」の…………
 

四番書記は竃猫かまねこでした。
竃猫といふのは、これは生れ付きではありません。生れ付きは何猫でもいいのですが、夜かまどの中にはひつてねむる癖があるために、いつでもからだがすすできたなく、殊に鼻と耳にはまつくろにすみがついて、何だかたぬきのやうな猫のことをふのです。
 
という一文を思いだしました。「林の底」では、いろんな鳥の色彩と模様について論じられるんですが、動物はどうして、ああいうように美しいんだろう、という感覚を思いださせる物語でした。
 
 

 
 
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宮沢賢治 気のいい火山弾

今日は宮沢賢治の「気のいい火山弾」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ぼくはこれを何回か読んだことがあるんですが、また読んでみました。
 
 
宮沢賢治の童話なんですけど、ちょっとだけ難読の漢字があって「稜かど」というのはこれは、漢字源にはこう書いています。


《訓読み》かど
《意味》{名}かど。物の、きわだってすじめのついたかど。▽数学用語では、多面体の隣りあった二つの面が交わってなす直線。〈類義語〉→角。
[改訂新版 漢字源 株式会社学習研究社]
 
 
こちらのページにふりがな付きの用例が載っていました。
 

主人公のベゴ石には、この稜が無くって、まるい。卵をちょっとだけ平たくしたような形をしている、石なんです。火山弾と言えばいかめしくてかどかどしい石が多いかと思うんですが、ベゴ石は丸い。
 
 
この主人公のことを、宮沢賢治はこう書いています。
 
ベゴ石は……(略)……非常に、たちがよくて、一ぺんも怒おこったことがないのでした。
 
ベゴ石は、いつもからかわれて悪口を言われてしまうようなヤツなんです。しかし気がいいので、一ぺんも怒ったことがない。
 
 
稜石たちはくりかえしベゴ石を馬鹿にして、大笑いしている。静かな主人公との、この対比がなんだか良いんです。賢治の描く登場人物は、画一化していないところがひとつの顕著な特徴なんだなと、思いました。それから賢治の独特なオノマトペがすてきでした。
 
 
作中の「おみなえし」は秋の七草の1つで、wikipediaには黄色くて愛らしい写真も載っていました。
 
 

 
 
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タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「タネリはたしかにいちにち噛んでいたようだった」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
明けましておめでとうございます。2018年の元旦です。近代文学の魅力は、現代文学よりも自然界や農業と密接であるところだと思うんですが、宮沢賢治は農学校の先生で、農家の子どもを描いたのがみごとなんだと思いました。
 
 
作中に出てくる『藤蔓』でいったいどういうものが作れるのか、ちょっと調べてみたんですが、縄文時代から編み細工の材料として使うことがあったそうです。藤蔓は現代ではほとんど使われていないです。おそらく賢治の時代も、それほど役に立たないものだったんだと思います。
 
 
『白樺の皮』というのは、現代でも工芸品で使われているんです。タネリのお母さんがいているコナラの実は、wikipediaによれば、岩手の美味しい食糧だったそうです。
 
 

 
 
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猫 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「猫」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
宮沢賢治で 猫 と言えば、「猫の事務所」という童話が有名で、「どんぐりとやまねこ」などのように動物や植物や鉱物の擬人化された作品が多いと思うんです。
 
 
ユーモラスなものと、清いものと、それから怖ろしい物語とが、さまざまにあると思うんです。もう一つ顕著な特徴は、意味から解放されたような不可思議な作品がある、というのが宮沢賢治の特別な魅力に思います。
 
 
今回のは、じつに不思議な掌編で、これが詩なのか物語なのか日記なのかさっぱり判らないんです。どうしてこうなったんだろう、どうやってこれが残されたんだろう、と思いながら読みました。じつに奇妙な読後感でした。
 
 
ネズミのひとり言のような記述にも思えるし、小鳥のひとり言を書き記したものかもしれないし、人間の「友達」の話し声を書き記したものかもしれないです。
 
 
調べてみると、アンデルセンの作品に「みにくいアヒルの子」という童話があって、そこに幼い鳥をいじめる猫が登場するんです。賢治はそのことを思って、この掌編を書いている。賢治はこの掌編に『アンデルゼンの猫を知ってゐますか』と書いています。
 
 
ほんの1ページほどの作品で『 猫は立ちあがりからだをうんと延ばしかすかにかすかにミウと鳴きするりと暗の中へ流れて行った。 』という記述で話しが途切れて終了してしまっている。
 
 
これは作品と言うよりも、メモというか走り書きというか、断片なのかもしれない、と思いながら読みました。賢治の作品を本に纏めた方なら、どこから発掘した文章か、判るはずなんですけど。
 
 
ただ、アンデルセンの「みにくいアヒルの子」のことを考えたことがあって、それでのちに「猫の事務所」を作ったのかもしれないぞとか、賢治の謎を追う上で貴重な断片のように思います。どうしてあの物語で、いかめしい金色の獅子がわっと出てきたのか、その謎を追うための、鍵みたいな掌編だと思いました。
 
 

 
 
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土をも掘らん汗もせん 宮沢賢治 

今日は宮沢賢治の「土をも掘らん汗もせん」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、ごく短い詩作品です。宮沢賢治に詳しい方なら知っていると思うんですが、ぼくははじめて見ました。好きになって、何回か読みました。3回目に、なんだかすんなり入ってくるんです。
 
 
むつかしい言葉を調べてみました。 
 
ともがら

いくそたび
 
さのみ

いたつき

 

 
 
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いちょうの実 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「いちょうの実」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
明けましておめでとうございます。2017年の元旦です。これは子どもたちの旅立ちの童話です。大人のかたもぜひ読んでみてください。
 
 
短い作品なんですけど、読んでいると、他のさまざまな賢治作品を想起します。ストーリーがほとんど無くても、賢治の童話が完全に成立しているというのが、驚きでした。
 
 
この会話が印象に残りました。
 
 
「そうだ。わすれていた。ぼくすいとうにみずをつめておくんだった。」
「ぼくはね、すいとうのほかにはっかすい用意よういしたよ。すこしやろうか。たびてあんまり心持こころもちのわるいときはちょっとむといいっておっかさんがいったぜ。」
「なぜおっかさんはぼくへはくれないんだろう。」
「だから、ぼくあげるよ。おっかさんをわるくおもっちゃすまないよ。」
そうです。このいちょうのはおかあさんでした。
ことしは千にん黄金色きんいろどもがまれたのです。
 
 
つづきは、本文をご覧ください。
 
 

 
 
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風景観察官 宮沢賢治

今日は宮沢賢治の「風景観察官」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
明けましておめでとうございます。2016年の元旦です。これは賢治の詩集『春と修羅』の中の一篇です。
 
 
ごく短い詩なので、ぜひ読んでみてください。自然界の中に、植物のほうに、生の手本がある、ということを思いながら賢治の詩集をいくつか読みました。春と修羅の、全文はこちらです
 
 

 
 
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