今日は柳田國男の「こども風土記」その10を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
木の枝を神に見立てた、そういう民間信仰があったらしいんですけど、アニミズムと近代宗教のすごい融合だなと思いました。なんだかナナフシの動いているところでも見ているような……。柳田國男の文章を読んでいると、日本ってそういう世界観があったんだと、驚くんです。賢治の表現する世界とも、寺田寅彦が描写した日本ともまったくちがうんですよ。
枝が鉤状になっていることに、神聖さというか、重要な意味があった。登山グッズで言うところの十徳ナイフというか、iPhoneの便利なアプリみたいな万能感覚が、小枝のあの鉤状の形態に見出されていた……そうなんです。それは占いなどにも用いられたし、お地蔵さんみたいに大切にされた。
柳田國男は、なんだか思いついたことをデタラメに書いてるだけなんじゃないの? とさえ思うことがあるんです。たとえば「鉤懸」と「カンカケ」と「寒霞渓」がじつは関係性が深くて、「鉤懸」と「寒霞渓」は、「元はこの方面にも同じ風習があったかと思われる」と書いているんですが、それって単に、ダジャレからの思いつきで、シンプルなウソを書いてるだけじゃないの……とさえ思うんです。現代の学者さんは、こういう語源の源流のように証拠があやしいものの正誤を、どうやって判定してるんだろうか……と思ったんですけど、辞書で調べてみると確かに、「寒霞渓」はむかし「鉤掛山」とか「神懸山」とか呼ばれていたそうなんです。ダジャレのような、習俗の歴史のような、こんな謎めいたことばの歴史があったのかと、毎回驚きます。
柳田國男は、鉤の形をした小枝を占いに使ったという、民間の信仰について、こう記します。
かつてはまじめに或る旅行の成功するか否かを、鉤によってたしかめてみるという信仰があったのである。
またこうも書きます。
子どもの遊びには遠い大昔の、まだ人間が一般に子どもらしかった頃に、まじめにしていたことの痕跡があるのである。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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