白痴(18) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その18を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
主人公のムイシュキン公爵は、この小説の題名どおり「白痴」と呼ばれて馬鹿にされてきたんですが……。脇役にコーリャ(コォリャ)というのがいるんです。彼はムイシュキン公爵を尊敬している。本文こうです。
 

コォリャがあなたのことを言っていましたよ、世界じゅうであなたより賢い人には今まで出会ったことがないって……

ぼくもムイシュキンは頭が良いと思うんです。なんせ文豪ドストエフスキーが書きたくて書いている人間なので、ドストエフスキーが聡明なように、ムイシュキンも聡明なように思います。作中に於ける主人公の考察がすごいんです。けれどもムイシュキン公爵は、周囲からはあからさまに馬鹿にされている。どうしてか探ってみると、やっぱり自分の未来のことを、ほとんどほったらかしにしてるからなんじゃないかと思いました。だから結婚も出来ないし家族も居ない。
 
 
ほんとに本文とまったく関係無いんですけど、哲学者のウィトゲンシュタインの魅力と通底しているところがあると思うんです。20世紀最大の哲学者と言われているウィトゲンシュタインは自分の将来のことをまったく考えずに戦場の最前線に自ら行ってしまった。当時は強制的な徴兵制は無かったので、本来なら最前線に行く必要は全く無かった。彼は極めて頭が良いので、そこでの生存率が20%以下で8割がた死ぬんだという史実については、行く前から認識していたと思うんです。つまり彼は論理哲学論考を後の世に残さなくっても、かまわない、と思っていた。自己顕示欲の乏しい哲学者だった。どうして死亡率の高い戦地に自ら赴いたのか調べていて、ちょっと判ったことがあるんです。ウィトゲンシュタインは、戦場に行く前にまず、みずからの国籍を公式に抹消して、外国人になろうとしていた。ところがお役所仕事の役人から、無国籍になることは出来ないと拒否された。その瞬間に、じゃあ戦争に行くしか無い、ということで彼は戦争に行った。ヴェーユと同じで、他人の犠牲を強いている状況では学問が出来ず、身近で困窮している人と同等の生き方をしなければ、自身の哲学に反するとかんがえて、死にかねない行動に出たようなんです。ウィトゲンシュタインがなぜ戦場に行ったのか、いろんな説があるんですけど、ぼくはこれを調べていて、ヴェーユと似たことを考えて戦場に行ったんだと考えました。
 
 
えーと、それで半年ぶりにペテルブルグの人々に出逢ったムイシュキン公爵は、こんかいレーベジェフという人物に向かいあいます。小悪党みたいな性格で、なんとも妙な脇役なんです。作中、このように記されています。

 レーベジェフその人が、はいってくる公爵のほうに背中を向けて立っていた。
 「公爵、さ、さ、さま!」とだけかろうじて言った。

レーベジェフは、「しょっちゅう嘘ばかり言っている」男で、それから弱い者をおどしてやろうという変な性格をしている。「レーベジェフはまだ脅かしてやろうと、逃げてゆく女の子の後ろで足を踏みならした」とか作中に書いてある。
 
レーベジェフはどなりつけた。「貴様というやつは!」彼は床を踏み鳴らしそうにした。だが娘はただ笑っている……
 
 
レーベジェフと甥の二者で、金を貸す貸さないという、奇妙な諍いが起きるんです。レーベジェフの発言は、たいへん訝しい。いぶかしい語り手なんですけど、じつは、ドストエフスキーの人生において重大だった死刑制度やあるいは聖書の論考を、レーベジェフの発言として記しているんです。ドストエフスキーほど、人物の書き分けがみごとな人は居ないと思うんですけど、じつは作者の人格と共通するところが、いろんな登場人物から垣間見られます。公爵はコーリャとナスターシャを探している……次回に続きます。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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透明猫 海野十三

今日は海野十三の「透明猫」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは少年向けの短編小説なんです。透明な猫が居たら、いったいどう付きあえるのか……というすこし不思議な物語です。なんだか明るい冒険譚で、途中でインチキな見世物をやる男が現れる。インチキをやってる最中に「インチキではございません」っていうのがおもしろい。
 
 
本文と関係無いんですけどいちど大道芸で……糸のついていない人形を、生きものみたいに華麗に踊らせるマジックを見せている人をまちなかでじっさいに見たことがあるんですけど、10年後になってYouTubeで調べても、あんなに上手に目の前で手品をしている人はめったに居ないなあ、貴重な体験だったなあと思いました。たぶん磁石と風を使って、操り人形をみごとに踊らせていたんだと思うんですけど。
 
 
「透明猫」は、生きものが透明になる物語なんですけど、だんだんハナシがでっかくなってゆく……海野十三は50年以上前にこれを書いたのに、今でもちゃんと楽しませるって、当時読んだらもっともっと驚いただろうなと思いました。


ちゃんと科学的な仕掛けもあって、ほんと上手い。H・G・ウェルズの小説からヒントを得て書いたんだろうと思うんですけど、みごとなSF近代小説でした。
 
 

 
 
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与謝野晶子詩歌集(9)

今日は「与謝野晶子詩歌集」その9を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
与謝野晶子は、自由な筆致で風景を描きだしています。むつかしい言葉を調べてみました。

 
見あらはす(見あらはされた)
 

目を上げて見れば
かの青空あをそられなり、
その木立こだちれなり、
前なる狗子草ゑのころぐさ
…………
……
 
 

 
 
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白痴(17) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その17を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ナスターシャは危険な男ロゴージンの根城に転がり込んだ。いっぽうで善良で貧しい男ムイシュキン公爵は、なぜだか遺産を譲り受けてお金持ちになってしまった。
 
 
だいぶ状況が変わってきたところで全体の25%が完結しいよいよ第2編が今回、始まったわけなんですけど、前回から六ヶ月間もムイシュキンは別のところに行ってるんです。これがなにか重大なことに思えました。
 
 
ムイシュキンはそもそも旅人的な存在だった。それが問題に深く関わるうちに、ペテルブルグの人々と無関係ではなくなっていった。
 
 
ですが第2編の冒頭で、無欲なムイシュキン公爵が遺産を手にしたことによって、人と人が結びつくお金の関係がまず無効化され、そうして半年の別離があって、ふたたびムイシュキン公爵は旅人のような、人々の通常の文脈とは異なる存在に戻ったように思えました。本文こうです。

公爵はただの一度、それもほんのちょっとの間、顔を出したにすぎなかったにもかかわらず、とにもかくにも、特殊な印象をエパンチン家の人たちに残して去った
 
 
ところでガーニャは、wikipeidaの「白痴」人物紹介には「腹黒く欲張りで、癇癪持ちの羨望家。7万5000ルーブルを手にするためナスターシャと政略結婚をしようとしている。」と書かれていて、本文にもひどいことがいろいろ書いてあるんですけれど……真面目で人間的なところもある。本文こうです。

ガーニャは公爵の部屋にはいって、その前のテーブルに半焼けの紙包みを置いた。それは彼が気絶して倒れていたとき、ナスターシャが贈った十万ルーブルの金であった。彼はこの贈り物をできるだけ早く、ナスターシャ・フィリッポヴナに返してくれるようにと、くれぐれも公爵に頼むのであった。
 
 
悲劇のヒロインナスターシャはこういう噂が広まっている状況です。


最初モスクワで姿を隠し、すぐそのあとで同じくモスクワでロゴージンに捜し出されたかと思うと、またどこかへ行方を隠して、またまた彼に捜し出されたナスターシャ・フィリッポヴナが、ついに彼と結婚しようという固いことばを与えた。ところが、それからほんの二週間きりたたないうちに、ナスターシャ・フィリッポヴナが三度目に、ほとんど結婚の瀬戸際になって逃げ出し、今度はどこか地方の県下に行方をくらました。
 
 
今回も、登場人物表と照らし合わせながら読みすすめました。
 
 
善人のムイシュキン公爵は、けっきょく遺産を引き継ぐんですけど、それをちゃんと調べもせずに、いろんな関係者に分配してしまった。それでけっきょくは資産が手元にほとんど残らなかった。本文と関係無いですけど、こういうところが哲学者ウィトゲンシュタインの実人生に似ているように思います。はい。
 
 
ドストエフスキーの小説では、大金が動いたり、異様な金の使い方をして監獄に入れられる男が登場したり、お金の概念がすごく印象的なんですけど……作者はじつは1863年ごろから10年間くらいルーレット賭博というギャンブルでムチャクチャをしていて、ちょうどそういう時期にこの「白痴」(1868年)という長編小説を書き継いでいったらしく、そのために、お金の扱いがムチャクチャで、そこもドストエフスキー文学の魅力のうちの一つになっているんだと思います。
 
 
ムイシュキンは、エパンチン一家のアグラーヤに、ちょっとした手紙を送った。……次回に続きます。
 
 

 
 
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奇怪な客 正宗白鳥

今日は正宗白鳥の「奇怪な客」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ぼくは子どものころ新本格推理小説というのが好きで、それを読むのが趣味だったんですけど、そこでは雪に閉ざされたコテージとか、豪雨で外界から隔絶されたホテルという、突然の閉鎖空間が現れるわけなんですけど……。その原形みたいなものを、近代文学の中から発見しました。推理小説じゃ無いのに、謎と閉鎖空間が現れます。
 
 
正宗白鳥はこの作品の中で、参照したものを明記していて、谷崎潤一郎の小説やイギリス怪奇小説のことを思いだしつつ、この作品を書いたようです。
 
 
これ……いっけん推理小説のようにゴリゴリの空想話に見えるんですけど、後半になって文章が変わってくる。え? 小説と思ったら随筆だったの? っていう叙述トリックは見たこと無いんですけど、ちょっと謎めいた作品でした。小説なのか随筆なのか、わかんないけど、面白い話でした。
 
 

 
 
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与謝野晶子詩歌集(8)

今日は「与謝野晶子詩歌集」その8を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
祭事には、弓や刀というのが現れてくるんですけど、その時に、武器としての能力は消え去っていて、形そのものに意味が生じてくる……。それを祭事とは異なる文脈で、与謝野晶子が詩に記していて、美しかったです。ほかにも牡丹の詩がみごとでした。
 
 

牡丹ぼたんよ、
葉は地中海の桔梗色ききやういろ群青ぐんじやうとを盛り重ね、
花は印度いんどの太陽の赤光しやくくわうを…………
…………
 
 
むつかしい古語を調べてみました。

いみじ(いみじけれ)
 
 

 
 
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白痴(16) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その16を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
貧乏な愚者だと思われていた、主人公ムイシュキンなんですけれども、じつは彼には多額の遺産が手に入る可能性があった。調べてみると今ほとんど無一文で住み家さえ無い彼はどうもほんとに、将来的には遺産をもらい受けて、お金持ちになるようである。その書面が出てきた。その時の周囲の描写がこうです。
 

しかししばらくたつうち、一同はほとんど一斉に、ほんの今、公爵が彼女に結婚の申し込みをしたのを思い出した。すると、事件は前より三倍もひどく狂気じみた異様なものになってきた。

主人公ムイシュキンから結婚を申し込まれ、さらに彼がどうも大金持ちになりそうだということが判った、ヒロインのナスターシャの反応がこうです。

ナスターシャ・フィリッポヴナの気がふれたのはこの時からだと後になって人々は主張した。彼女はやはり腰をおろしたまま、しばらくのあいだ何ごとが起こったかわからないので一心になってそれを知ろうとしているようになんだか奇妙に笑い、驚いたような眼つきをして人々を眺め回していた。

それで奴隷を買うように彼女を買おうとしていた強欲なロゴージンと、無垢で愚かな主人公ムイシュキン公爵に対して、ナスターシャはこう言います。

百五十万ルーブル、それに公爵、そのうえ、おまけに白痴だそうですから、これに越したものはありませんわ! 今こそ本当の生活が始まるんです! ロゴージン、遅かったわね! その包みをおしまいなさい、わたしは公爵と結婚して、おまえさんよりずっとお金持になるんだわ!

ムイシュキンは、愚者だと思われているだけあって、自分に資産が有るか無いかということをまったく意に介さないようなんです。それよりも、ナスターシャの不幸についてずっと黙考している。ムイシュキンによれば、彼女には地位や名声や大金が必要なのでは無くって「あなたには親切にめんどう見てあげる人間が入用なのです」と言うんです「僕がめんどうを見ます」と言っている。
 
 
ところがナスターシャは、それが破滅を意味すると判っていながら、ロゴージンと結ばれようとする。
 
 
ナスターシャとロゴージンの混乱を見ていて将軍が「これはソドムだ」と言うんです。wikipediaにはソドムについて、こう記していました。wikipediaとドストエフスキーの組み合わせは、えげつないなと思いました。
 
 
聖書を読み込んでいる人にとって、ドストエフスキーの描きだす悪夢は、よりいっそう重いものとして感じられるのだろうと思います。聖書とドストエフスキーの組み合わせこそが、文学の最奥というかなんというか……。ここから先の、ナスターシャの告白と行動に息をのみました。まさにソドムの住人が描きだされるんです。ナスターシャの僅かに残された善意によっておもわず飛び出た言葉に唸りました。この小説は4部構成というか、4編で構成されているんですが、今回が1番目の終幕なんです。次回から、第2編がはじまります。
 
さよなら、公爵、この世ではじめて人間に会いましたわ!
 
 
それからガーニャが苦渋の決断をするシーンが印象的でした。
 
 

 
 
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