愉しい夢の中にて 坂口安吾

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今日は坂口安吾の「愉しい夢の中にて」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
坂口安吾は、夢の中に現れた親友河田のことを、この随筆に書いています。過去の彼がどういう人であったのかを書いています。この記述が印象に残りました。
 

彼はひどい貧乏であつた。無一物で、ガスも電気もとめられて、食事もできない毎日の中で、恐らく人間としては最も窮乏した生活を暮した男であるが、あそこまで窮乏すると、もう人間は妙にみぢめな暗さからは脱け出してしまふ。尤も河田には人間の底に光があつた。そして逞しい気骨があつた。だからあの男はどん底の中にゐても、決して身辺に湿気といふものを持たなかつた。思ひ出すと懐しい。私の中では永遠に暗くならない。
 私は河田の芸術が好きであつた。あの男は沢山の失敗作を書いた。大部分は…………
 
  
坂口安吾は親友河田との思い出について「今日、私の記憶の中で生きる人間の楽しさとなつて残つてゐる。あんなに貧乏であつたくせに! この豪華を私は愛す。」と書くんです。
 
 
つづきは本文をご覧ください。
 

 
 
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ゲーテは詩心についてこう記します。



わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか

どんなに悩み、どんなに生きたかは

ここなる花輪の花となる

さうして老境もまた青春も

徳も不徳も集めて見れば

また捨てがたい歌となる






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