今日はダンテの「神曲 天堂」第二十九曲を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
今回は、ベアトリーチェによって、天使のことが語られています。だんだんこう、天堂篇の終盤に近づいていて、佳境というか、映画で言うと「2001年宇宙の旅」のクライマックスのような、恍惚としたイメージが漂いはじめます。読んでいてこう、変に引きずり込まれるような荘厳さというのを感じます。
あの、なんというのか悪い新興宗教にはまってしまう若者の感覚が判るような、そういう強い引力というのが、ダンテ天堂篇の二十九曲には確実に存在しているように思います。どういうことが書いているかというと、宇宙の神秘であるとか、「時間を越えた永遠の中で」……「あらゆる善」……「永遠の愛が……」というように、至上のことを書いているんです。しかも、これまで読んできた長い旅路のことを想起させつつ、ついにもっとも素晴らしいところへ辿りついたというような歓喜がこう、自然に描写されているので、時代と思想が異なる自分が読んでいても、ぐわっと引き込まれてしまいます。
しかも、語りかけてくる者がですね、ダンテがもっとも愛した異性であるわけで、さらに作者も彼の文学人生のまさにクライマックスに至っているわけで、恍惚として記しているわけですから、これは読んでるだけでも危ない! と思いました。と言っても、これはべつに悪書というわけではなく、危険思想が込められているわけでは無いのでまあ引きずり込まれても大丈夫だとは思うんですが。とにかくこう、引力のすさまじさというのに圧倒される章でした。
それから、ベアトリーチェは神学について批判を行い、キリスト教を信仰するにおいて、聖書の重大性というものを説きます。キリスト教徒はなによりも、聖書を大切にするものなんだなと思いました。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
ゲーテは詩心についてこう記します。
わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか
どんなに悩み、どんなに生きたかは
ここなる花輪の花となる
さうして老境もまた青春も
徳も不徳も集めて見れば
また捨てがたい歌となる
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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