夢十夜 夏目漱石(1)

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今日は夏目漱石の「夢十夜」その1を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回から十回にわけて夢十夜を読んでゆきたいと思います。夢という仕組みを圧倒的に使いこなした作家と言えば、ドストエフスキーがまず思いうかぶんですけど、夏目漱石は第一声で「吾輩わがはいは猫である。名前はまだ無い。」から始めた、特別に技法の冴える作家で、夢について描くのも一文目からいきなりで、全体的に夢の世界を描きだしていて、仕組みが華麗だと思いました。
 
 
夢の内部の情景を色彩豊かに描写しているんです。なんだか漱石が印象派の絵画を描きだしているような、幻想的な文体です。本文こうです。 
 
 
…………女はぱっちりと眼をけた。大きなうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒なひとみの奥に、自分の姿があざやかに浮かんでいる。
自分はとおるほど深く見えるこの黒眼の色沢つやを眺め……
 
 
オフィーリアの受難を、静謐に描きだしたジョン・エヴァレット・ミレーの絵画を想起しながら、この小説を書いたのかなあ……と空想しました。 
 
 
普通の小説では、同じことを二回言ったりしないことが多いと思うんですよ。でも漱石は今回、なぜだか同じ言葉を、歌か詩のように繰り返すのが、読んでいてとても心地良いんです。作品ごとにこんなにも鮮やかに文体を変えられるなんてすごいやと、息をのみました。終盤の花の咲く描写が美しかったです。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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