昔からの幸いの道 ヘンリー・ヴァン・ダイク

今日はヘンリー・ヴァン・ダイクの「昔からの幸いの道」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは翻訳の仕事を長らくやってこられた山田由香里さんが、つい先日、新しく日本語に翻訳したものです。明かりの本の原稿募集ページから投稿していただきました。
 
 
ヘンリー・ヴァン・ダイクは、牧師であり作家であった方なんです。この随筆では、二十世紀前半の読者に対して、人生の岐路での注意点と、信仰の勧めを記しています。ぼくはキリスト教を信仰したことはないのですが、無信仰のものであっても学ぶところがある、すてきな随筆だと思いました。ぼくはいろいろと選択を失敗してきたほうなので、ヴァンダイク氏が述べるところの悪い例に当てはまる箇所が多いのですが、これから重要な時には、よく考えることにして、古い人から学んでゆきたいと思います。困っているときには、長く読み継がれている古典から学ぶべきだと思うのですが、強引な宗教勧誘や新興宗教にはくれぐれもご用心ください。
 
 
聞く耳をもって、先人に学び、考える時間をつくりなさい、という箇所に納得しました。キリスト教と無縁な方も、ぜひ一度読んでみてください。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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ゲーテ詩集(12) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(12)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
詩の中に蝶が登場するんですが、蝶にたいする不可思議な夢想というのは、けっこう万国共通なんだなと思いました。荘子が語った「胡蝶の夢」ともやや共通する詩です。自然と動物に対する感情移入について、ゲーテと荘子はどこか似ているところがあるんですが、ゲーテの独自性というのは異性に対する恋愛感情を美しく歌いあげたところにあるように思えました。
 
 
わたしは息が絶えたとき
蝶のすがたに身を変へて
楽しい時を送つたあのなつかしい処へと
ひらひらと飛んで行く
牧場をぬけて泉水の方へ
丘をめぐつて森越えて
 
 

 
 
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農民芸術概論 宮沢賢治 文学壁紙

今日は宮沢賢治の「農民芸術概論」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
文学壁紙というのをはじめました。
名作と一緒にお楽しみください。
名作の要点と、その全体を両方楽しめるようにできればなあと思っています。

 
農民芸術概論 宮沢賢治 文学壁紙 

……われらに要るものは銀河を包む透明な意志
巨きな力と熱である……
われらの前途は輝きながら険峻である
険峻のその度ごとに四次芸術は巨大と深さとを加へる
詩人は苦痛をも享楽する
永久の未完成これ完成である

理解を了へばわれらは斯る論をも棄つる
畢竟ここには宮沢賢治一九二六年の
その考があるのみである
 
文学壁紙  
ipad用(1024×1024) 壁紙 小(1024×768) 壁紙 大(1920×1200)
 
パソコンやipadの背景に使えますよ。
SNSで画像を使ったり、ブログ背景にするなど、個人利用オーケーです。ファイルを選択して右クリックボタンで「画像を保存」を選択すると、自由に持ち帰りできます。

 
 
宮沢賢治「農民芸術概論」はこちらからお読みください。
 
 

 
 
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ゲーテ詩集(11) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(11)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ぼくは男なのであれなんですが、これ女の人が読んだらやっぱりゲーテに異性としての魅力を感じるだろうなと思えました。ゲーテが現代に生きていて女性を口説いたら、これはそうとうなもんなんじゃないか、とモテないぼくは考えました。
 
 
この本は、数多くの詩集を残した生田春月という詩人がすべて翻訳しているんですが、今回は生田春月の、この日本語訳に魅せられました。
 
 
かうして眺めてゐる幸福は
遠く離れてゐる苦痛をやはらげる
それでわたしはおまへの光を集め
わたしの眼をもつと鋭くする
あらはな身体のまはりは早やも
だんだん明るくなつて行く
 
 


 
 
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名もなき草 小川未明

今日は小川未明の「名もなき草」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
小川未明は現代で言うと環境問題に熱心だった人のように思えます。辞書で調べてみると小川未明はロマン主義的・社会主義的な童話作家だったと書いてあるんですが、しかし「赤いろうそくと人魚」や「天を怖れよ」などの作品を読んでみると、社会の問題よりも、自然界との関係性に重点を置いているように思えます。昔は「環境問題」という言葉は無かったんですが、そのまだはっきりと見えてこない諸問題を小川未明が一足先に捉えているように思えました。
 
 
農民の道徳についての話しを聞いたことがあるんですよ。江戸時代の農民の話です。彼らは、横暴な権力に抵抗するときに、自然を手本としていた、と言うんです。自然から学んでいた。自然が本であり、自然が先生だった。小川未明の、自然を中心とした神秘主義的なまなざしに感銘を受けました。
 
 

 
 
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ゲーテ詩集(10) 生田春月訳

今日は生田春月訳のゲーテ詩集(10)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ゲーテの詩はとにかく大らかだなと思います。「羊飼ひ」という詩があるんですが、これがなにか落語のようです。意外なオチまでついてる詩というのもマレなんじゃないでしょうか。羊飼いに共感するところが多かったです。佐々木マキ氏のイラストのような不可思議さのある詩です。また「美しい夜」という詩が好きになりました。
 
 
この美しい夏の夜の
この涼しさの楽しさよ!
おお、夢みるによいこの静けさ
本当に心も幸福で一杯になる
その楽しさは味はひ尽せない位だ!
 
 

 
 
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料理の第一歩 北大路魯山人

今日は北大路魯山人の「料理の第一歩」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
北大路魯山人は、陶芸と料理を両方追求した芸術家です。その北大路魯山人が、ちょっとした寓話と随筆を書いています。さいきん、作品と随筆を両方楽しむと、面白さが増すということに気付いて、芥川龍之介の随筆を読んでいます。小説だけではイメージできない心情がうかがえておもしろいです。
 
 
これは手や足を動かす、という話しなんですが、ぼくはアイディアばかりが脹らんで結果をともなわないタイプなのでなんだかギョッとしました。頭が大きくなりすぎると危ないよと言う。
 
 
いったいどこで聞いたのか忘れてしまったんですが、こういう話しを聞いたことがあります。幸せというのは柿をちょっと買ってきてそれをむいて食べて、「あ、今日の柿は美味しい」と思うところにあって、それ以上でもそれ以下のものでも無い、とかいうことを聞いて、それを聞いたときはほんとかなあと思っていたんですが、じっさいにスーパーで米寿を迎えた年齢のおばあさんが1人でカートをおしてスーパーを歩いていて、それで柿を2つ買っていったんですよ。カートに柿を載せて歩くその、ゆっくりとした動作が今も脳裏に浮かびます。柿って、むくのがけっこう面倒なんですよ。ぼくは普段、バナナとかみかんとか、もやしとか豚のバラ肉とか、調理の楽なものから順番に買うクセがあるんですが、その時はおばあさんの買った柿をぼくも買ってみたんです。それであとでピーラーを使って柿をむいて、食べてみると、ちょうど旬の季節だったのでたしかにほんとに美味しかったです。なるほどこれがそれなんだと思いました。たぶん手や足や体を動かしたほうがなにかと美味しいんだと思います。
 
 

 
 
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