梯梧の花 山之口貘

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今日は山之口貘の「梯梧の花」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
沖縄出身の詩人、山之口貘が母とのいちばんはじめの思い出を語っています。
 
 
ぼくの幼い頃の記憶は、もう3歳か4歳か判らないんですが、夏に水遊びをして、ズボンとパンツがビシャビシャになってしまって、母にパンツを脱がされたまんま、半裸で電車に載せられたのがすごく恥ずかしかった、というのが二番目に古い記憶なんですけど……。家族の中でおぼえているのがなぜかぼくだけなんです。山之口貘の、はじめての思い出はもっと詩的ですよ。おっぱいと赤い花のことを書いています。
 
 
作中に出てくる仏桑花(アカバナ)というのは、こういう花です。梯梧でいごの花は、これです。
 
 
沖縄と本州との印象的な違いは、植物のところにまず現れている、というのは、じっさいに行ってみて自分も感じました。まるで植物たちと生きているような、幼い男の子の生きる世界が鮮やかに描きだされている随筆です。おっぱいの描写や木登りの記憶などなど……まるで植物のように生きている、人間の感覚だ、と思いながら読みました。
 
 
自然界を見失って生きてる気がしていた自分には、随筆の終盤が印象深かったです。どうして50年も前の随筆が、現代の新聞記事と密接に繋がっているのかと、なにか謎めいているような、タイムカプセルを開けたような不思議を感じました。文末を読み終えて、すぐまた文頭の自然界描写を読み直してしまいました。歌や詩じゃ無いですけど、前半 中盤 後半 と読んで、もういっかい前半を読むと、まさに詩として成立している気がしました。リフレインしたくなる随筆です。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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