料理と食器 北大路魯山人

今日は北大路魯山人の「料理と食器」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
飯を食うときに料理番組とかグルメ番組を見ることがあるんですけど、そこでいちど、数十年以上使っている銀の皿というのを見て、それがきのう買ってきたみたいにピカピカに光っていた。何十年も新品みたいに使えるっていうのは、使い手が優れていると、そんなことになるんだなあと驚きました。職人は道具を大事に使うって聞いてはいたんですけど、じっさいに職人が使う皿を見て、ほんとにちゃんと使うと、ぜんぜんちがう結果になるんだなと思いました。
 
 
あと、えーと、ぼくは電子レンジに使える、フタだけプラスチックでできた、陶器の器が便利で、いつもこれを使っています。冷蔵庫に保存する容器として使い勝手がよく、レンジでチンするとそのまんま食卓に持ってゆけるんです。麦飯の冷蔵に使えて便利なんです。
 
 
皿を見るといろいろ分かる、と北大路魯山人が記しています。
 
 

 
 
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与謝野晶子詩歌集(18)

今日は「与謝野晶子詩歌集」その18を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
  
   
日本の文学に登場するストレイシープというモチーフは、聖書から引用されていると思うんですけれど、もしかすると与謝野晶子のこの歌からもインスピレーションを受けたのかもしれない、と思いました。
 

水に飢ゑて森をさまよふ小羊のそのまなざしに似たらずや君


 
 
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白痴(26) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その26を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
主人公のムイシュキン公爵は……「ブルドフスキイに優しい友情と、莫大な金を提供」しようと考えた。そのため「誰一人として、公爵に嫌悪の念をいだいているものはありません」……と、周囲からはこのように思われたんです。ところが今回、これと正反対のことを言う男が、あらゆることを語り尽くします。大病を患っているイッポリットはこんなことを述べるのです。

公爵、僕は知ってますよ。あなたは、こっそりガーネチカの手からブルドフスキイのお母さんにお金を贈られたでしょう。ところで、僕は誓って言いますが、今度はブルドフスキイが、形式の繊細さがないとか、母親に対する尊敬がないとか言って、あなたにきっと食ってかかりますよ

ドストエフスキーは、政府と完全に対立した経験があるわけで、思想犯として死刑にされそうになった。社会主義サークルに入っていただけなんですけど、そのために死刑にされそうになった。それで作中にはこういうことを書いていますよ。

リベラリストというやからは誰かが何か独自の信念を持っていると、それを大目に見ることができず、さっそく、自分の論敵に悪罵あくばをもって応酬し、あるいは何かもっと卑劣な手段で報いないでは済まさない
 
 
最近、日本の大逆事件を描いた物語を読んだんですけど、そこではロシアの革命のことがちょっと論じられている。
 
 
ドストエフスキーの死後20数年たったころに起きた1905年「血の日曜日事件」というのがあるんですけど、大逆事件当時の無政府主義者(日本人)はこの「皇帝崇拝幻想の打倒」を目指した運動に倣って、天皇制の廃止を目指していた。
 
 
どのような組織にも、危険な人が居るはずなんですけど、幸徳秋水のかつての仲間であった宮下太吉たちが暴走した、その責任を取らされたのが、幸徳秋水だったのかなあー、こういう時代にドストエフスキーの本は生々しくも強烈な迫力があったんだろう、と思いました。
 
 
ドストエフスキーはほんとうに死刑にされる寸前だった、ということを踏まえてイッポリットの発言を読むと衝撃的な描写だと思いました。

「あ、そうだ、さっき、あなたが、さようならっておっしゃったとき、ああ、ここにこんな人たちがいるが、みんなやがては亡くなってしまう、永久に亡くなってしまう! こんなことを僕は不意に考えたのです。それからこの木立ちもやはり同じことだ、——あとには煉瓦れんがの壁が……僕の窓のま向かいにある……マイエルの家の赤い壁ばかり、……さあ、あの連中にこんなことをすっかり言ってみろ……試しに言ってみろ。ほら、美人がいる……それなのに、おまえは死人じゃないか、死人だと言って自己紹介をしろ、『死人はなんでも言えるんだ』ってそう言ってみろ……

イッポリットは主人公を「世界じゅうの誰よりも最も憎んでる」のですけれども、ドストエフスキーはこの主人公を愛している。イッポリットの意見は、ドストエフスキーの暗い人格に結びついているところもある。作者と登場人物イッポリットは、そっくりなところもあれば、正反対な意識も持っている。その小説の独特な構造に惹かれました。
 
 

 
 
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世界的 太宰治

今日は太宰治の「世界的」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
この随筆ほんの数頁のもので、灯台もと暗し、ということについて語っているんですけど、おもしろかったです。遠くのものは良く見えるのに、近くにいる人はあまり見えてこない、ことがあるようです。
 
 
本文と関係ないんですけど……そういえば20世紀最大の哲学者ウィトゲンシュタインは実家では長らく「バカ息子」なんだと、思われていたそうです。だからその哲学書が学会で有名になったときには、何かのまちがいなんじゃないかと両親は思ったそうです。ウィトゲンシュタインの父はヨーロッパでは有名な鉄鋼王で、子どもたちに自分の経営をいつか引き継がせようと考えていたんですけど、みんなピアニストとか哲学者とかになっちゃって誰も父の仕事を引き継がなかったんです。
 
 
太宰治は、聖書読解に深いこだわりがあった。キリスト教については、評論を読むよりも、聖書をそのまま読むことが重要なんだと考えていたように、なんとなく思えました。
 
 

 
 
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与謝野晶子詩歌集(17)

今日は「与謝野晶子詩歌集」その17を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「卑怯」という奇妙な題名の詩を読んでいて、これすごいなと思いました。与謝野晶子は自分の人生とちょうど逆側に居る、なんというか王道の文学者だと思うんです。現実の与謝野晶子の家族はじつに豊かな構成で、あまたの子供を育てながら、紫式部に匹敵するような歴史的な文学作品を残した。資本に置換したら大富豪と貧乏人の違い以上に、差が甚だしい。
 
 
ところが与謝野晶子の詩を読んでみると、貧しいものの感性をみごとに言い表しているなあ……と感じます。現代のコミュニケーション論で、似た者同士が仲良くするのはべつにコミュニケーション力なんて必要なくって、ぜんぜんちがう人の心を動かすのがコミュニケーション力なんだと言っていて、まあそれはそうだなと思ったんですけど……与謝野晶子という実例を見て、こういう力のことを言っていたのかと思いました。氏の詩歌は驚くほど遠くに居る人にまで届くように思います。紫式部に私淑する、という与謝野晶子の発言は、氏の文学の射程の長さにあらわれていると思いました。
 
 
むつかしい言葉を調べてみました。

西施せいし
 
 

 
 
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白痴(25) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その25を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
悪いことばっかり考えていたはずのガーニャが今回、まともなんです。ガヴリーラ・アルダリオノヴィチ・イヴォルギン (ガーニャ)は、新たな遺産相続者らしき人物が登場した事件にかんして、その謎を解いていた。
 
 
やっぱり主人公ムイシュキン公爵が一目見て予想したとおり、遺産を相続できるはずだと思い込んだブルドフスキイは、状況を誤認させられていた。ブルドフスキイの発言はこうです。

僕はあなたを信じますから、これであきらめることにします……一万ルーブルもお断わりします……さようなら……
 
それで、真相はこういうことだった。ガーニャの演説はこうです。
 
ブルドフスキイ君、君のお母さんがパヴリシチェフさんにいろいろめんどうを見ていただいたのは、実はお母さんが、パヴリシチェフさんのかなり若かったころに恋せられた小間使の妹だったからです。(略)君のお母さんはまだ十くらいの子供のころ、親代わりに、パヴリシチェフ氏に引き取られて、養育され、持参金をどっさり分けてもらったりした

遠い昔の出来事なので、P氏の親戚なんだと誤認してしまった。P氏はブルドフスキイの母にずっと援助をしつづけたんです。それで親戚なんだと思い込んでしまった。ガーニャは探偵みたいにそういうことを既に調べ終えていたのでした。
 
 
ガーニャって脇役中の脇役なんですけど、この人の人格がとってもおもしろい。彼は悪漢たちにさえ、図々しく、どうどうと正論を垂れるんですよ。そういう性格のお陰で、収拾のつかないような問題をさらっと解決してしまう。ヘビに対して毒ガエルみたいな、ジョーカーっぽい存在なんです。ガーニャは、相手からこのように叫ばれてしまうんですけど……
 
「なんて、けがらわしいことだ、無礼な話だ!」とイッポリットは激しく身を打ち震わせ…………
 
ガーニャはそういうことに慣れていて、正論を言えてしまう。
 
ブルドフスキイ君はすでに、パヴリシチェフ氏が自分を可愛がってくれたのは博愛のためであって、けっして息として愛したのではないということを、おそらく十二分に納得されたことでしょう。
 
さらにガーニャの推理では、今回の遺産相続事件は、関係者のほとんどが、詐欺をする意識が無かったと指摘している。そのためにかえって、事実とは異なる主張をする人々の論調が激しくなってしまって、ぶつかり合いが生じてしまった。悪行をやろうと思って悪行をするような事件と、かなり種類が違うわけです。両者ともに、自分の考えが事実に近いと思い込んでしまっていた。両方とも正論で、パラドックスが成立したみたいになってしまう。物語にはほとんど影響の無い些末な話しなんですが、ことを難しくしてしまった男はチェバーロフだったそうです。
 
 
このあとの、主人公の発言が、ほんと素晴らしかったです。ドストエフスキーは、もっとも人間的な人間であるムイシュキンを本作に描きだそうとしたと宣言しているわけで、主人公の考えと行動はどうにも破綻しているんですが、読者に強い印象を残すんです。どう書けば良いのかさっぱり判らないんですが、いやー、ほんとに良いんですよ、ムイシュキンの発言が。これぞ文学だと思いながら読んでいました。
 
 

 
 
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辞典のすすめ 吉川英治

今日は吉川英治の「辞典のすすめ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
半世紀前の本を、現代にちょっと翻案して読んでみるというのが趣味になっているんですけど、このわずか1ページの随筆が興味深かったです。20世紀は、知識や生活の根本的なところがどんどん改善していった時代なわけで、現代では当たり前すぎて疎かになりつつあるところを再認識できるのが、ちょっと古い本の魅力のうちの一つだと思いました。
 
 
現代に引きよせて考えてみれば、なにかの言葉が気になったら、スマートフォンかPCを使って、なんでもグーグルで『○○○○○○ wiki』とか『○○○○○○ 辞書』と記入して検索し、辞典を読むクセをつけてみると、知識が少しずつ深まってゆくような気がしました。
 
 
本文とまったく関係無いんですけど、最近wikipediaで調べてみて興味深かったのは『尹 東柱ユン・ドンジュ』の頁でした。……それから『色丹島』の頁がおもしろかったです。
 
 

 
 
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