

今日は中原中也の「山羊の歌」その31を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
今回の「心象」という詩を読んで、この風景はずいぶん西洋的で、ファンタジー文学にある世界観を描いているような印象なんです。wikipediaの幻想文学のページを読みつつ、いったいこの天国のような風景というのはいつ日本に輸入されたのか、ちょっと調べていました。どこかから来た世界観だとは思うんですけど、どこから来たのかよく判りません。中原中也は宮沢賢治の作品は読み込んでいたわけで、そこにはファンタジーに共通した風景がたしかにあります。
この時代の詩人は、どこの文学から、天国のような風景を思い起こしたんだろうか、とおもいます。中国の古くからある『遊仙窟』とか『西遊記』とかから幻想文学が日本に入ったのか、「城」とか「天使」が現れる小説って、どの時期にどういうふうに日本に入ってきたのか、いくつか調べてみたんですけど、今ひとつ解明できませんでした。
中原中也は、ジッドとランボーの詩集を翻訳していて、この頃の西洋文学に詳しかった。
その中に、ファンタジー文学の「ベオウルフ」や「ニーベルンゲンの歌」のような、なにかの幻想文学を知ったのだろうかと思いました。どれを読んだのかは、ぼくには解らなかったです。あるいは聖書から世界観を想起したのかもしれません。
もしかすると中原中也はこの詩で、天草四郎や隠れキリシタンの世界観を描いたのかもしれない、と思いました。消えていった古い時代というのが、いったいどの場でどの時代なのか……。ギリシャ、ポルトガル、隠れキリシタンの時代、明治時代、大正時代、どの時代を想起するかで、詩のイメージがガラッと変わるんではないかと思いました。なんだか気になる詩でした。
亡びたる過去のすべてに
涙湧く。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
ゲーテは詩心についてこう記します。
わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか
どんなに悩み、どんなに生きたかは
ここなる花輪の花となる
さうして老境もまた青春も
徳も不徳も集めて見れば
また捨てがたい歌となる
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください
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