白痴(20) ドストエフスキー

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今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その20を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、ドストエフスキーが話題にしているのは、ハンス・ホルバインの絵画なんです。『墓の中の死せるキリスト』という作品が有名な、ルネサンス期の画家です。本文こうです。
 
 

縦が五尺五寸ほどあるのに、横は八寸と少しくらいしかない恐ろしく奇妙な形をした絵が一点かかっていた。これには十字架からおろされたばかりの救世主が描かれてあった。
 
 
横長の『墓の中の死せるキリスト』のこともきっと話題にしていると思うんですけど、今回、話題にしている絵は縦長の絵画で、ちょっと調べてみると縦長でキリストを描いた絵画は見つけられませんでした。こちらのwikiartという画像サイトで、ハンスホルバイン(子)の画業が150点も閲覧できます。《Portrait of Jakob Meyer zum Hasen, Mayor of Basel》などを見ていると、清潔で美しい画法なんですが、復活寸前のはずのキリストだけは、死体そのものとして不気味に描きだした。この画家のまなざしに、ドストエフスキーは感銘を受けて、『白痴』や『カラマーゾフの兄弟』ゾシマの死を、描きだしたのでした。
 
 
今回、キリスト教と信仰について語られているんですけど、信仰心は強いのに徹底的に悪さをする人間と、神の存在は否定し信仰心はほとんど無いのに思慮深い学者という二者が例示されます。この挿話が印象深かったです。
 
 
言葉と実態の乖離って、あるよなあと思いました。「ウチでは和食を作っています」って電話で答えた主婦さんたちに依頼してインスタントカメラで食べたものを撮影してもらうという調査をしたら、じつは「和食派」を謳った人たちが、ほんとはインスタント食品と洋食ばっかり食べてた、っていう調査結果が出たことがあって、そのことを評論に書いていた方が居るそうなんです。理想を言わなきゃ、っていう悪気の無い意識があって、それで言葉と実態が乖離しちゃう。言ってることに悪気が無い、ってのがこういう乖離のポイントなんだとか思いました。(そういえばぼくも、ゲーム攻略サイトはまったく作らずにこの読書サイトを作ってるんですけど、じっさいにはゲームやってる時間のほうが長いですし。いちおうこのサイトの紹介文にも、このサイトの運営者は文学の専門家じゃ無いって明記してはいるんですが)
 
 
ドストエフスキーは信心深かったのか、あるいはそうではないのか……というのは氏の文学における最大の謎なんですけど、今回の『第二編四』を読んでいると、キリスト教への強い強い関心があることだけは明らかだと思いました。
 
 
ロゴージンとムイシュキン公爵は、信仰と虚偽について語りあった末に、十字架のネックレスを交換しあった。ロゴージンは不幸な事件を起こすかもしれない、その加虐の予感にロゴージン自身が、青ざめています。本文こうです。
 
…………不意に彼の顔の様子が一変した。恐ろしく青白くなって唇は震え、眼は燃えだした、彼は両腕をあげて固く公爵を抱きしめ、息を切らしながら言った。
「そうした運命なら、あの女はおまえがとるがいい! おまえのもんだ! おまえにくれてやる!……ロゴージンを忘れないでくれ!」
 と言ってしまうと、彼は公爵を振りすてて、後をも見ずに、急ぎ自分の部屋にはいり、後ろざまにぱたりと戸を閉めた。
 
 
この前後で、親鸞の悪人正機にも通底している、宗教の問題が描きだされていました。 
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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