痴人の愛(27〜28) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(27〜28)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「痴人の愛」は今回で完結です。こちらから全文読めますので、未読の方はリンク先へどうぞ。
 
 
いよいよ最終話で、妻のナオミに翻弄されている譲治の、マゾヒスティックな愛が描きだされるんですけど、その描写がすごいんです。妻に跨がられ、ナオミから「これから何でも云うことを聴くか」とおどされて「うん、聴く」と犬のように答える譲治が、ナオミの姿を見てそれをこう描写しているんです。本文こうです。
 
 

  私は今や、睫毛まつげの先で刺されるくらい彼女の顔に接近しました。窓の外には乾燥し切った空気の中に、朝の光が朗かに照り、一つ一つの毛孔けあなが数えられるほど明るい。私はこんな明るい所で、こんなにいつまでも、そしてこんなにも精細に、自分の愛する女の目鼻を凝視したことはありません。こうして見るとその美しさは巨人のような偉大さを持ち、容積を持って迫って来ます。
 
 
とどまることなく物語がゴロゴロと転がっていって、起承転結ではなくって起承転転転転転転転……という感じで譲治の人生が破綻し続けていったわけなんですけど、さいごになんというか、良い二人組になる。夫婦と言うよりも、女王様と痴人みたいな関係性に落ちついていった。まさに題名どおりに『痴人の愛』になってゆくんです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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痴人の愛(25〜26) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(25〜26)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
まるで西洋映画の女優のような姿に生まれかわってしまったナオミに、譲治はおどろいている。ナオミの美しさを描写するその筆致が鮮やかなんです。
 
 
予想外に美しくなって、自由に不倫をつづける妻に、いわく言いがたく魅了されてゆく譲治の煩悶のさまを読んでいたら、こう、現実の恋愛体験じゃないのに、読んでいるだけでドキドキするんですよ。悪女ぶりというか奔放なナオミがすごいんです。……近代文学にこんな生々しい小説があったのか……と衝撃を受けました。別れたはずの妻が毎晩家にやってきて誘惑をする。夫婦生活を営んでいた頃は風呂でも一緒だったのに、今は指一本触れることができない。そこでナオミは甘い吐息を吹きかけるだけで、夫を誘惑するんです。夫はそれに悶絶する。ほんの一文でも迫力があります。本文こうです。
 
 
  彼女の息は湿り気を帯びて生温かく、人間の肺から出たとは思えない、甘い花のようなかおりがします。
 
 
 
 
 

 
 
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痴人の愛(23〜24) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(23〜24)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
失恋した男2人で街を徘徊しつつ、どうして失敗したのか語りあっている。しまいには、どれだけ盛大に、ナオミに裏切られたのかを確認しあって、自身たちの間抜けさを笑いはじめたりする。浜田くんはこういうことを言ったりする。
 
 
  どうかしてナオミさんを救い出そうと思ったんですが、意見をするとつんと怒って、あべこべに僕を馬鹿にするんで、手の附けようがなかったんです
 
 
滑稽なのか哀れなのか、しまいにはこんなことまで言いはじめます。
 
 
「だがいいですよ、まあ一遍はああう女に欺されて見るのも」
と、私は感慨無量の体でそう云いました。
「そりゃそうですとも! 僕はとにかくあの人のお蔭で初恋の味を知ったんですもの。たといわずかの間でも美しい夢を見せてもらった、それを思えば感謝しなけりゃなりませんよ」
 
 
譲治は仕事も辞めてしまい、たった一人で家にこもって悶々としているんです。そこに不倫常習者のナオミが、のんきなようすで、自分の服と荷物を取りにふらっと帰ってきた……。あと2回で完結です。
 
 

 
 
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痴人の愛(21〜22) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(21〜22)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
夫婦で喧嘩別れしたあとに、ナオミは一時的に行方不明になってしまった。実家にも帰ってきていない。不倫を常習している妻を探しまわって泣きそうになっている譲治なんですけど、近代と言えばまだ男尊女卑が色濃かった時代に、漱石のすぐあと、こういう物語を描くってほんとにすごいなと思いました。
 
 
ナオミはどうもまだ、不倫相手と一緒に居るのかもしれない。悪友の中では唯一信用できる浜田くんに頼み込んで、ナオミを探している譲治。この場面に於ける譲治の描写に迫力がありました。
 
 
「それじゃあ、君はもう知っているんですか?」
「僕は昨夜いましたよ」
「えッ、ナオミに?………ナオミに昨夜遇ったんですか?」
今度は、私は前とは違った胴顫いで、体中がガクガクしました。あまり激しく顫えたので前歯をカチリと送話器の口にッつけました。
「昨夜僕はエルドラドオのダンスに行ったら、ナオミさんが来ていましたよ。別に事情を聞いた訳ではないんですけれど、どうも様子が変でしたから、大方そんな事なんだろうと思ったんです」
「誰と一緒に来ていましたか? 熊谷と一緒じゃないんですか?」
「熊谷ばかりじゃありません、いろんな男が五六人も一緒で、中には西洋人もいました」
 
 
どうもナオミはそこいら中の男の家に転がりこんで、泊まり歩いている。ジョン・バリモアという映画俳優にそっくりな白人と遊び歩いているらしい。
 
 
あきらかに不貞で、しかし限りなく美しくなってゆくナオミの噂話だけで譲治は悶々とするんです。「一生懸命ナオミを恋い慕っている」譲治は、奔放すぎるナオミの所行に喉を詰まらせる。「涙さえ止まってしまいました」という一文に、驚きました。
 
 

 
 
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痴人の愛(19〜20) 谷崎潤一郎

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浮気の事実を認めた妻の、再度の不幸を封じこめようと、悪友の来ない新しい家を探し始めた譲治なんですけど、ナオミはナオミで譲治の手紙を盗み見て、譲治の態度に不正があるんじゃないかと追及しはじめた。
 
 
譲治が心配したとおり、ナオミは浮気を辞めることができなかった。その現場を掴んだ夫の譲治は、ついにナオミと別れてしまった。裏切られたのに譲治はますますナオミへの思いを色濃くした。本文こうです。
 
 
  私はいつの間にか立ち上って、部屋をったり来たりしながら、どうしたらこの恋慕の情をやすことが出来るだろうかと、長い間考えました。と、どう考えても癒やす方法は見付からないで、ただただ彼女の美しかったことばかりがおもい出される。…………
 
 

 
 
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痴人の愛(17〜18) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(17〜18)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
痴人の愛は、1924年(大正13年)ごろに発表された作品なんですけど、今回とくに封建的な思潮と、谷崎潤一郎の先進的な思考がぶつかり合って、古いような新しいような、じつに不思議な章になっていました。谷崎は、若い妻の数々の不倫の顛末について描いているんですけど、純情で無くなった妻に対して抱く譲治という男の心理を詳らかに描いているんです。ナボコフのロリータが描かれたのが、「痴人の愛」のちょうど30年後の1955年です。時代と比較すると谷崎は圧倒的にアバンギャルドだったように思います。
 
 
江戸時代には趣味的な物語作品があまたにあったそうなんですが、谷崎の時代に、ほかにこれほど蠱惑的で趣味の色濃い物語を描いた人が居たんだろうか……と思いました。夫婦間の不和について描くときでさえも、甘美な描写が冴えるんです。ちょっと前後の文3ページくらい読まないと、文体が見えないんですが、本文こうです。
 
 
  …………私はいつも彼女に負けました。私が負けたと云うよりは、私の中にある獣性が彼女に征服されました。事実を云えば私は彼女をまだまだ信じる気にはなれない、にもかかわらず私の獣性は盲目的に彼女に降伏することをい、べてを捨てて妥協するようにさせてしまいます。
 
  
恋人同士の夫婦から、家族としての夫婦へと変化してゆくシーンが描かれてゆきます。
 
 

 
 
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痴人の愛(15〜16) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(15〜16)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
鎌倉の海辺の家を借りて、長期旅行のような引越のような、奇妙な転居を行った譲治とナオミなんですけど、そこに悪そうな奴らも一緒に遊びに来るようになった。譲治は鎌倉から東京の仕事場へ電車で通うようになった。
 
 
この小説は、きほん男女2人の物語なんですけど、たまに描写される一人きりのシーンが印象的で、映画と一人旅のちょうど中間のような、不思議な気配があって良いんです。こんなのです。
 
 
  夏の日盛りの暑いさなかを一日会社で働いて、それから再び汽車に揺られて帰って来る身には、この海岸の夜の空気は何とも云えず柔かな、すがすがしい肌触りを覚えさせます。それは今夜に限ったことではありませんが、その晩はまた、日の暮れ方にさっと一遍、夕立があった後だったので、濡れた草葉や、露のしたたる松の枝から、しずかに上る水蒸気にも、こっそり忍び寄るようなしめやかな香が感ぜられました。
 
 
ある日、譲治は会社の仕事がいつもより早く終わって、別荘のような家に帰ってみると、妙なことに妻のナオミが居ない。
 
 
調べてみるとどうも、妻のナオミと熊谷が2人きりで、夫をほうっておいてデートしていたようである。しかも、新しい住み家はなぜか、その熊谷の隠れ家がある町のすぐ側だったという事実を知って、譲治は愕然とし隠れ家となっている別荘街にかけつけた。その夜の海辺ではナオミのはしゃいだ声と、夫・譲治のマゾヒズム性を笑いものにする声が聞こえてくるので、ありました……。
 
 
文中の、差別問題に関わる古い言葉に関して、wikipediaには、いろいろ書いていました。こちらをご覧ください。それからNHKのEテレでやっていた、黒人差別問題を取材した番組をだいぶ前に家で録画しておいたやつを見たんですけど、『キミの心の“ブラック・ピーター”』と、Googleで検索すると、いま現在も、その詳細が分かるようです。
 
 
物語はじつに奇妙な展開をしつづけ、自分たち2人だけだと思い込んでいた2つの住み家に、浜田、熊谷という、おかしな人物がつぎつぎに入りこんでくる。ナオミは10歳以上年上の夫に隠れて、いろんな密会現場を作っていて、3人の男と代わる代わる遊んでいたようなんですが、そのナオミの奔放な、なんと言うんでしょうか裏切りに、読んでいて魅了されました。
 
 

 
 
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