今日は牧野富太郎の「寒桜の話」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
今年はもう、桜の季節はほとんど終わりつつあるんですが、東北や北海道あたりはこれから見ごろのようです。それから2月くらいに見ごろを迎える寒桜の詳細については、コトバンクに詳しく記されていました。
植物学者の牧野富太郎が、まだ寒い季節に咲く寒桜のことを随筆に書いています。昔は養分や水やりに難があったのか、寒さに弱い寒桜は、東京ではめったに存在していなかったようです。上野にだけは、この寒桜がほんの数本だけ残っていて、咲いているということを牧野富太郎は書くんですが、じゃあ現代ではどうなんだろう? と思って調べてみると、現代ではさまざまな寒害対策がなされているようで、上野公園にも寒桜が満開になるようなんです。しかも1月末が見ごろみたいです。やっぱり時代が進むと、人間と一緒に居る植物も生きやすくなるもんだと思いました。
牧野富太郎は、大震災の前の上野公園のことを良く覚えていて、それどころか江戸時代や明治維新時代にも、昭和や戦後にも生きていた人で、漱石よりも早く産まれたのに1957年まで長生きしていて、漱石がもし長生きしていたら、戦後の日本を見ていたのかと思うと、牧野はいったいどれだけ長い時間を過ごしたんだと思いました。
牧野富太郎はじつは、上野公園の植樹をプロデュースした張本人で、上野公園が好きな人にはじつに興味深い随筆だなと思いました。それどころか、観光地に桜の咲き乱れるのは、どうも牧野富太郎の発案なのではなかろうかと思いました。調べてみると桜並木とお花見の元祖はじつは、江戸時代の将軍が作ったものらしいんです。江戸時代の趣味が現代にも生きているんだなあと思いました。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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