今日は、古典文学ではなくって、映画の紹介をします。
「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」というノンフィクション映画です。
つい数日前に見てきたところなんですけど、感想を書いてみます。
最近、お金も無いのにどーしても見たい映画がいろいろあって妙に映画館に通いつめちゃってるんですけど、これはすごい映画でした。
公害で古里に住めなくなった飯舘村のおばあちゃんたちの、避難先の仮設住宅での暮らしをじっと見てゆくという重い内容の映画なんですが、その社会問題よりももっと驚くところがあって先祖代々、農業をやってきたおばあちゃんのダイナミックなサバイバル生活とでも言うような、避難先で借りうけた農地を耕しつづける榮子さんと芳子さん2人の、農作業の毎日をカメラが追ってゆくんです。
僕はちょうどこの映画を見にいく直前に、偶然もらった、小学生向けのブッダの教えという、お寺さんが作った絵本を電車で読んでいて、そこには理想のことが書いてあるんです。ちゃんとしたお寺の坊さんがブッダの経典を児童用に現代語訳したものです。これの原典には、こういうことが書いているんですよ。
すべてのものごとは、その人の心によって成り立つ。いつも清らかな心で話したり行動するならば、楽しみや喜びは、いつも影がそうように その人に付きしたがうだろう (ダンマバタ より)
グッと来ることも書いているんですが、どうも理想だけを書いているので、ピンと来ないと思っていたんです。とにかくどういう時でも他人の悪口を言ったらダメなんだよと、笑顔が大切だと、子ども向けに書いているんですけど、……それはたまたま平和な街に暮らしているからそう考えられるわけで、戦争や公害が起きていたら、そういうわけにもいかないだろうと懐疑しつつ、絵本を読み終えてから映画館でこの映画を見たら、ほんとうに驚いてしまって、飯舘村のおばあちゃんは、これ以上無いというくらい困りきった状況で公害に向きあっているんですけど、ほんとうに悪口をいわないで、幼なじみのおばあちゃんと一緒になって毎日朗らかに笑いあっていて、ずっと畑で野菜を育てていて……こりゃ長生きするわけだわ、と衝撃を受けました。
監督は足しげく避難先の仮設住宅に通って、おばあちゃんは雨の日も雪の日も畑の野菜の面倒を見にいってる。やっぱり文筆とちがって、映画はどうあっても足を使って作っていくわけですから、この足がものを言うというか、足から生じた嘘偽りの無さが、見てる方にすごく響いてくるんだと、思いました。
あのー、昔から言われてきた理想的なことを、口だけじゃ無くて、じっさいに現実の暮らしの中で毎日実現しちゃっているような、そういう明るくて強くてよく笑うおばあちゃんが主人公の、ノンフィクション映画でした。ちょっとぼくの説明だけではようワカランと思うので、ぜひ公式サイトを見てください。
榮子おばあちゃんの農作業と、つくる料理を見てるだけで大迫力なんです。そりゃ孫に好かれるわけだと思いました。
「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」公式サイトはこちら
https://www.iitate-mother.com/
日本全国の劇場の情報はこちらです
https://www.iitate-mother.com/%E5%8A%87%E5%A0%B4%E6%83%85%E5%A0%B1/
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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