彼岸過迄(14)結末 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「彼岸過迄ひがんすぎまで(14)結末」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回は、タイトルは「結末」なんですけど、結末と言うよりも、「あとがき」みたいになっています。でもあとがきとはまた違っていて、やっぱり創作で、登場人物たちの行く末がさらっと描きだされている。
 
 
今回の漱石は、語り手と主要人物との距離、ということに意識を集中して、物語を転じていったと思うんですが、その遠景のカメラワークや、接写のコントラストが美しかったように思うんです。遠いところに居る人の感情と、ごくごく近くで起きる事態への感情の対比がみごとでした。
 
 
今回のこの「結末」は、小説に附属していなくても、じゅうぶん物語が完結していたと思うんです。でも、登場人物たちとは異なる視点でこれを描きだされているとなんと言うんでしょうか、文学賞の選者が、受賞作を講評している内容にかなり似ていてですね、というか「漱石・子規・鴎外」でやる俳句の寸評みたいで、なんともおもろいんです。蛇足とはまったく思わない、内容なんです。
 
 
小説を、始めから最後まで、短編小説として書き直す感じで、全体を流れるように描いています。次ぎに何を書こうか、というのを思いつつ、漱石はこの「結末」を書いたんじゃなかろうかと思いました。小説と小説の間にある繋ぎ目の何かみたいに見えました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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