選挙殺人事件 坂口安吾

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今日は坂口安吾の「選挙殺人事件」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
選挙が始まったので、なにか選挙に関係した本を読んでみたいと思って、これを見つけました。坂口安吾と言えば迫力に満ちた随筆が有名で、ぼくは「風と光と二十の私と」や、「ピエロ伝道者」がとても好きなんですけど、今回は小説作品です。
 
 
戦後のどさくさに紛れた事件を追っているんですけど、とにかくなんだか下劣なスジがあるんです。坂口安吾はアルコールでヘベレケになりながら作品を書いたことがあるそうなんですが、今回の小説がまさにこれなんではないかと思うんです。実際には判らないんですけど。どうしてこんなひどいことを書くんだろうと思っていたら、後半になって、坂口安吾の魅力がわーっと出てくる。戦中戦後の闇に塗れた世界の、その泥かきをする坂口安吾。途中で文学論も記されていて、古典文学が優れていて貴ばれているのに対して、透谷・芥川・太宰という近代文学の行き詰まりが、この物語に覆い被さるように語られるんです。
 
 
戦中戦後の餓死が深刻だった時代にも、透谷・芥川・太宰が繰り返し読まれたんだなあと思いました。登場人物の奇妙な男が、刑法で裁かれる犯罪をしたことが明らかになるわけなんですが、後半がなんか良いんですよ。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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