人間椅子 江戸川乱歩

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今日は江戸川乱歩の「人間椅子」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
高級官僚と結婚して裕福な暮らしを営んでいる、佳子という小説家の元に、奇妙な手紙が舞い込んできた。「醜貌のやるせなさ」にさいなまれているストーカー男の懺悔録が、書き記されてゆくんですけど、これがすごい。
 
 
ちょうどこの小説自体が、懺悔室のようになっている構成で、なんともいかがわしい「悪魔の様な生活」が記されてゆく。不倫と、貧富の差と、境遇と、善悪を越えてこう、女に迫ろうとするこのストーカーまるだしの欲望が……。すごいとしか言いようが無いというか。
 
 
お金持ちが顧客である、オーダーメイドの椅子職人というのが絶妙な設定で、この「気高い貴公子に」なったような「フーワリとした紫の夢」を下支えしているように思います。子どもの頃すごいとおもった小説ですけど、大人になって読んでもやっぱりすごいです、これ。
 

…………私は考えました。これこそ、この椅子の中の世界こそ、私に与えられた、本当のすみかではないかと。私の様な醜い、そして気の弱い男は、明るい、光明の世界では、いつもひけ目を感じながら、恥かしい、みじめな生活を続けて行く外に、能のない身体でございます。それが、一度ひとたび、住む世界を換えて、こうして椅子の中で、窮屈な辛抱しんぼうをしていさえすれば、明るい世界では、口を利くことは勿論、側へよることさえ許されなかった、美しい人に接近して、その声を聞き肌に触れることも出来るのでございます。
…………
 
(※脱字を修正しました。2018年6月14日)
 

 
 
こちらのリンクから全文読めます。(縦書きブラウザの使い方はこちら
https://akarinohon.com/letters/ningen_isu.html
(約50頁 / ロード時間約30秒)
iPadやノートPCなどに対応した、シンプル表示の縦書きテキストはこちら
 
 
 
 




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