今日は江戸川乱歩の「人間椅子」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
高級官僚と結婚して裕福な暮らしを営んでいる、佳子という小説家の元に、奇妙な手紙が舞い込んできた。「醜貌のやるせなさ」にさいなまれているストーカー男の懺悔録が、書き記されてゆくんですけど、これがすごい。
ちょうどこの小説自体が、懺悔室のようになっている構成で、なんともいかがわしい「悪魔の様な生活」が記されてゆく。不倫と、貧富の差と、境遇と、善悪を越えてこう、女に迫ろうとするこのストーカーまるだしの欲望が……。すごいとしか言いようが無いというか。
お金持ちが顧客である、オーダーメイドの椅子職人というのが絶妙な設定で、この「気高い貴公子に」なったような「フーワリとした紫の夢」を下支えしているように思います。子どもの頃すごいとおもった小説ですけど、大人になって読んでもやっぱりすごいです、これ。
…………私は考えました。これこそ、この椅子の中の世界こそ、私に与えられた、本当のすみかではないかと。私の様な醜い、そして気の弱い男は、明るい、光明の世界では、いつもひけ目を感じながら、恥かしい、みじめな生活を続けて行く外に、能のない身体でございます。それが、一度、住む世界を換えて、こうして椅子の中で、窮屈な辛抱をしていさえすれば、明るい世界では、口を利くことは勿論、側へよることさえ許されなかった、美しい人に接近して、その声を聞き肌に触れることも出来るのでございます。
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(※脱字を修正しました。2018年6月14日)
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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