今日は新美南吉の「こぞうさんの おきょう」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
最近、「子ども風土記」という、遊びのことを研究した本を読みはじめたので、文学に於いて遊びはどう捉えられているのかちょっと探してみたんですけど、どうも調べ方がヘタなのか、太宰治が友だちの家に「遊びにいった」という記述ばかりが見つかって、近代文学でどういうように遊びが描かれていったのか、よく判らなくなりました。
その中で、遊びのことが中心的に描かれている童話を見つけたので、今日はこれを紹介します。新美南吉が、幼い子どもの一日を描写しています。童話が好きな方は、ほんと今回のはおすすめです。
ところで、wikipediaの『梁塵秘抄』の頁に「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。」という有名な歌が掲載されていました。この今様歌がどうも好きなんです。
北原白秋が「洗心雑話」という随筆で、この梁塵秘抄についてこう書いています。
遊びをせむとやうまれけむ
たはぶれせむとやうまれけむ。
遊ぶ子どもの声きけば
わが身さへこそゆるがるれ。
梁塵秘抄のこの今様はまことに童の心に通うたものである。全く子供の遊びを見てみるほど心の晴れるものはない。子供は遊ぶ、遊んで遊んで遊び恍れる。子供が遊ぶ時には身も魂も遊びにうちこんで了ふ。それが鬼ごっこにせよ、かくれんぼにせよ。心から遊び恍れてみる子供を見てゐると、そこにはただ遊びそのものばかりしか見えない。そこには遊ぶ子供の命ばかりが光物のやうに燃えあがるのみである。遊びの形なぞは眼に入らない。全く見てゐる人の心までがうちゆらいでくる。
さうなると遊びも尊い。三味とはこの遊びの妙境に澄み入ることである。
私心を去るがよい、眞に童のやうになってほれぼれと遊び恍れたがよい。畢竟するに藝術は遊びである。
たはぶれせむとやうまれけむ。
遊ぶ子どもの声きけば
わが身さへこそゆるがるれ。
梁塵秘抄のこの今様はまことに童の心に通うたものである。全く子供の遊びを見てみるほど心の晴れるものはない。子供は遊ぶ、遊んで遊んで遊び恍れる。子供が遊ぶ時には身も魂も遊びにうちこんで了ふ。それが鬼ごっこにせよ、かくれんぼにせよ。心から遊び恍れてみる子供を見てゐると、そこにはただ遊びそのものばかりしか見えない。そこには遊ぶ子供の命ばかりが光物のやうに燃えあがるのみである。遊びの形なぞは眼に入らない。全く見てゐる人の心までがうちゆらいでくる。
さうなると遊びも尊い。三味とはこの遊びの妙境に澄み入ることである。
私心を去るがよい、眞に童のやうになってほれぼれと遊び恍れたがよい。畢竟するに藝術は遊びである。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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