夢十夜 夏目漱石(3)

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今日は夏目漱石の「夢十夜」その3を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ぼくは人の作った物語に、影響を受けてしまいやすいほうだと思うんですけど、漱石の夢十夜を読んでいたら、ほんとに漱石の書いたみたいな夢を夜にベッドの中で見てしまって、朝おきてその夢をメモして、驚きました。
 
 
それで思ったんですけど、もしかすると、漱石はシャガールの絵画みたいに自由に幻想を書いたんじゃ無くて、冗談抜きで夜にふとんの中で見た夢を、ほぼそのまんま描いた可能性があるんじゃないかと、思ったんです。
 
 
漱石は、事実と無縁な小説を書くことで有名で、実話に近い物語は「道草」だけのはずで、それ以外はモデルもほとんど存在しない、純粋に虚構として創造された小説のはずなんです。
 
 
漱石作品を読んでいると文章はとても流麗で、幻想的で、その漱石作品の中でももっとも事実からほど遠い物語が、この夢十夜なんですけど、どうも漱石がじっさいに見た夢をかなり克明に書いているような気がするんです。
 
 
漱石の本物の夢を克明に描きだした夢日記そのものだったかもしれない、というのは単なる空想なんですけど、少なくとも、この物語はリアルな夢とかなりの相似性を持っていて、現実の夢の構造にそっくりな文章になっているのは確かなんだと思うんです。
 
 
夢は、鮮明なようでいて、事実のどれとも絡みつくし、事実のどれとも違う展開をする。夢の構造で物語を書いたら、読者の記憶のどれかとかなり絡みつくのは当然ですし、それでいて新しい展開をする。
 
 
あと、第二話でちょっと書いていた蕪村なんですけど、やっぱり蕪村妖怪絵巻とこの物語は、共通項がなんだか多いなと思いました。もしかしたら漱石は、この絵巻のようなものから、インスピレーションを得てこれを書いたのかもしれません。
 
 
幼い小僧と、文化五年の霊とが、完全に混じりあっている。夢の特徴はこの、普通なら絶対に混じりあわないものが、鮮明に一体化してしまっている、というところだなあとか思いながら読み終えました。悪夢の差し込み方が、じつにリアルだと思う第三夜でした。最後の一文が、強い印象を残す作品でした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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