こども風土記 柳田國男(1)

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今日は柳田國男の「こども風土記」その1を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
柳田國男の名作の数々が、青空文庫で読めるらしいんですが、ぼくは、いまだに読めてないんです。でも柳田の短編はおもしろいので、いつか読んでみたいと思っていたら、読みやすそうなこれを発見しました。今から40回くらいかけて読んでみようと思います。
 
 
柳田國男は新聞社から依頼を受けて、なるべく子どもに読めるようなものを、ということでかなり苦心してこれを書いたようです。序文にこう書いていました。
 
 

「こども風土記」が新聞に連載せられている間、面白く読んでいるよと言って励ましてくれた人は多かったが、それはたいていは年をとった仲間だけであった。
 
 
当時も今も、小学生が自力で読めたというような実例はごくごく纔かだったようです。親子で一緒に読まれていたみたいです。この「こども風土記」の中心的な読者は本文のこの箇所にあったのかもしれないと思いました。
 
 
それでも東京・大阪の都会へ出て働いている人で、ほんの四、五年前の子どもかと思われる人たちから、あどけない感激の手紙は幾つか来ている。始めて親に離れ故郷に別れて、人中ひとなかの生活をする者の胸のうちには、或いはもう一度「子ども」の感じがよみがえって来るのではあるまいか。
 
 
日本各地で、子どもはどのような遊びをしていたか、その記録なんです。遊びって、年上の青年とか親とかおばあちゃんとかから教えてもらって、流行ることが多いわけですけど、ぼくの記憶では子どもだけが中心になって奇妙な遊びを開発することもあって、どこ発祥なのか判らないことがあると思います。作中でも指摘されているんですが、子どもの遊びはすべて親世代が与えているわけではない。柳田国男は学者なので、かなり正確にこの記録を書いたんでないかなと思います。
 
 
この「こども風土記」は、太平洋戦争が始まる寸前くらいの1941年の春、4月から5月にかけて新聞社に掲載されたものです。そのころよりも何十年も前の遊びも、収録されています。現代人の知らない、子どもの遊びがいっぱい載っています。この文末が印象に残りました。
 
  
……[略]……
無始むしの昔から無限の末の世まで、続いて絶えない母と子との問題であるが故に、ことにその感を深くするものである。読者をただ眼前の人のみに求めた私たちの態度にも懺悔ざんげすべきものが至って多い。もう間に合わぬかも知れぬけれども、是を機縁として改めて文章の書きかたを学びたいと思う。
昭和十六年十二月十四日
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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