ハイネ詩集(45)

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今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その45を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
やっぱり近代文学の魅力は、自然界との深い繋がりがあって、それが現代人には新鮮だ、ということだと思うんです。現代人は暖房や防寒具や交通網が完備されていて、冬を見ないでも普通に生きられるけど、ハイネの時代はそうじゃないですよ。それで自然描写が魅力的になるんだと思います。
 

海は大口あけて欠伸してゐる
さうして海の上には腹這ひになつて
無恰好な北風が寝そべつてゐる
 
それをみた「彼」は「水にむかつて饒舌しゃべ」りはじめるんですよ。都市に住んでる人にはもはや判らない詩なんだろうか、と思いました。
 
娘は炉辺ろばたにすわつて
釜の煮え立つ音を聞いてゐる
何をか告げるやうな楽しいひそやかなその音を
さうしてばちばちいふ小枝を火にくべて
そつと火を吹くその度びに
赤い光りがゆらゆらのぼり
魔法のやうにうつし出す
花のやうな美しいその顔を



 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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