山羊の歌(21) 中原中也

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今日は中原中也の「山羊の歌」その21を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、ほかの詩とかなり印象が異なっていて、天上の美しさを描きだしているんです。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の前半部分の星祭りや、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の冒頭の描写を、思い浮かべました。
 
 
前回も出ていたのですが、詩のなかに、喪失した椅子というイメージが現れるのです。中原中也の椅子、というのがこの詩集で2回だけ登場するわけなんですが、そのいずれも、椅子が無い……という描写なんです。
 
 
今回は、中原中也の想像力で描きだされた上天界の描写において、椅子のことが記されています。
 

 ……………
 小さな頭、長い裳裾すそ
 椅子は一つもないのです。
 下界は秋の夜といふに
 上天界のあかるさよ。
 
 
中原中也が「無い」というところを詩に描きだしているのが、なにか強い印象に残りました。
 
 

 
 
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