今日は中原中也の「山羊の歌」その21を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
これは、ほかの詩とかなり印象が異なっていて、天上の美しさを描きだしているんです。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の前半部分の星祭りや、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』の冒頭の描写を、思い浮かべました。
前回も出ていたのですが、詩のなかに、喪失した椅子というイメージが現れるのです。中原中也の椅子、というのがこの詩集で2回だけ登場するわけなんですが、そのいずれも、椅子が無い……という描写なんです。
今回は、中原中也の想像力で描きだされた上天界の描写において、椅子のことが記されています。
……………
小さな頭、長い裳裾、
椅子は一つもないのです。
下界は秋の夜といふに
上天界のあかるさよ。
中原中也が「無い」というところを詩に描きだしているのが、なにか強い印象に残りました。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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