夢十夜 夏目漱石(7)

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今日は夏目漱石の「夢十夜」その7を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
夢十夜も残すところあと3回になりました。今回は、船の物語です。考えてみれば、森鴎外も正岡子規も夏目漱石も、船によく乗ってるんです。関係無いですけど、ぼくは小豆島に行く時は船に乗るんですけど、それ以外で船を使うことがほとんどないです。漱石の時代は、中国に行く時も、ヨーロッパへ行く時も、船旅です。
 
 
それで、こんかいの描写が、微に入り細を穿つとでもいうような船の描き方で、やはりプロの中のプロでも、空想の世界に踏み込むときには、実体験が強い影響を及ぼすんだなと思いました。
 
 
漱石はそれに加えて、イギリスを中心に西洋の文学を読みにゆく長大な旅をしているわけで、西洋文学に造詣が深い。この明治時代の大胆さが、現代に生きる自分たち読者にすこぶる迫力を持ってせまってくるんだろうな、と思いました。
 
 
漱石の夢十夜をよんでいて、なんだか妙に連想したのは、本文とほとんど関連性がないんですけど、ガンジーの「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」という言葉でした。漱石は、学問をすることが働いて家族を食わせることだったし、学問をすることが芸術を創る礎だったし、正岡子規も漱石も病をおして過酷な舟旅をした。死という言葉を今回漱石は多用しているんですけど、どうもふつうの使い方と違うんです。聖書にある「一粒の麦、地に落ちて死なずば、唯一つにて在らん、もし死なば、多くの果を結ぶべし」……に於ける死が、描きだされているんではあるまいか、と思いました。
 
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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