猫 宮沢賢治

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今日は宮沢賢治の「猫」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
宮沢賢治で 猫 と言えば、「猫の事務所」という童話が有名で、「どんぐりとやまねこ」などのように動物や植物や鉱物の擬人化された作品が多いと思うんです。
 
 
ユーモラスなものと、清いものと、それから怖ろしい物語とが、さまざまにあると思うんです。もう一つ顕著な特徴は、意味から解放されたような不可思議な作品がある、というのが宮沢賢治の特別な魅力に思います。
 
 
今回のは、じつに不思議な掌編で、これが詩なのか物語なのか日記なのかさっぱり判らないんです。どうしてこうなったんだろう、どうやってこれが残されたんだろう、と思いながら読みました。じつに奇妙な読後感でした。
 
 
ネズミのひとり言のような記述にも思えるし、小鳥のひとり言を書き記したものかもしれないし、人間の「友達」の話し声を書き記したものかもしれないです。
 
 
調べてみると、アンデルセンの作品に「みにくいアヒルの子」という童話があって、そこに幼い鳥をいじめる猫が登場するんです。賢治はそのことを思って、この掌編を書いている。賢治はこの掌編に『アンデルゼンの猫を知ってゐますか』と書いています。
 
 
ほんの1ページほどの作品で『 猫は立ちあがりからだをうんと延ばしかすかにかすかにミウと鳴きするりと暗の中へ流れて行った。 』という記述で話しが途切れて終了してしまっている。
 
 
これは作品と言うよりも、メモというか走り書きというか、断片なのかもしれない、と思いながら読みました。賢治の作品を本に纏めた方なら、どこから発掘した文章か、判るはずなんですけど。
 
 
ただ、アンデルセンの「みにくいアヒルの子」のことを考えたことがあって、それでのちに「猫の事務所」を作ったのかもしれないぞとか、賢治の謎を追う上で貴重な断片のように思います。どうしてあの物語で、いかめしい金色の獅子がわっと出てきたのか、その謎を追うための、鍵みたいな掌編だと思いました。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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