秋風記 太宰治

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今日は太宰治の「秋風記」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
太宰治が、生田長江の詩を引用しています。
 
 
『ゲーテ詩集』や『ハイネ詩集』などを翻訳した生田春月の、お師匠さんが生田長江なんですが、2人とも近代文学の翻訳者であり詩人だったんですけど、太宰治もこの長江の仕事には興味を持っていたようなんです。
 
 
えーと、これが書かれたのは1939年(昭和14年)の29歳ごろのことです。戦争が徐々に拡大してゆくころに、太宰治は、息苦しい小説を書いている。第二次大戦中にリアルタイムで、日本の戦争のことを書けて、戦後も世界中で読まれた作家は太宰治ただ一人なんです。作中に、身罷ることを思いとどまった女性Kを描写した場面があるんですが、本文の……
 
 
  Kは、それを知っている。
 
 
という一文が印象深かったです。文学に用いられる『K』は、カフカの主人公『K』が有名だと思うんですけど、漱石も『こころ』でKを用いています。漱石の本名である金之助の『K』……という1文字を、漱石自身も、イギリス時代からときおり使っていたんです。
 
 
太宰治はそういう同時代文学をたぶん知っていて、女性にKと名づけたように思いました。今作はなぜか濁点が多いのが特徴で、なんとも言えず文そのものが美しいんです。ほんの一部分をランダムに抜き出しても、なんだか雰囲気があります。
 
 
「ほのかなよろこび」
 
「僕には、花一輪をさえ、ほどよく愛することができません。」
 
「ゆきあたりばったりの万人を、ことごとく愛しているということは、誰をも、愛していないということだ。」
 
「過去も、明日も、語るまい。ただ、このひとときを、情にみちたひとときを、と沈黙のうちに固く誓約して、私も、Kも旅に出た。」
 
「日に日に快方に向っている。」
 
……つづきは本文をご覧ください。
 
 

 
 
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 ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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