

今日は太宰治の「美男子と煙草」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
ぼくは太宰治をほとんど読めていないんですが、短編はいくつか読みました。読むたびに引き込まれます。サービス精神が旺盛な純文学作家のように思います。自身を戯画化するのが上手いから引き込まれるんですけど、このような技法は、これより少し前の時代の、鴎外や漱石や藤村や芥川には見受けられない方法だと思います。
どこにこの、太宰のように自己をキャラクター化する方法の先祖があったのか判らないですし、他の近代作家は海外文学を引用し模倣するところから自作を構築していったのに対して、太宰治は一人で技法を開発したのではないかと思いました。三人称で社会を書くのか、一人称で個人を書くのか、という二つの近代文学観がある中で、太宰治は一人称なのに一人称が客体化され戯画化されてゆく……。
タイトルの「美男子と煙草」というのもなんだか妙で、美男子というのは作者太宰のことですよ。それから上野で野宿している家の無い少年たちについて、美男子と記している。このような書き方は誰にも真似が出来ないすごく独特な方法に思えます。僕が読んだ範囲では、ダンテ「神曲」の主人公の描き方くらいでしか、見たことがありません。物語の後半、太宰の人情というかいつくしみの思いが記されていて、感銘を受けました。
以下の「シンプル表示の縦書きテキスト」をご利用ください。(縦書きブラウザの使い方はこちら)
https://akarinohon.com/migration/bidansito_tabako.html
(約10頁 / ロード時間約30秒)
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明かりの本は新サイトに移行しました!
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明かりの本 新サイトURL
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(Windowsでも、なめらかな縦書き表示になるように改善しました!)
appleのmacやタブレットやスマートフォンなど、これまで縦書き表示がむずかしかった端末でも、ほぼ99%縦書き表示に対応し、よみやすいページ構成を実現しました。ぜひ新しいサイトで読書をお楽しみください。
ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
ゲーテは詩心についてこう記します。
わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか
どんなに悩み、どんなに生きたかは
ここなる花輪の花となる
さうして老境もまた青春も
徳も不徳も集めて見れば
また捨てがたい歌となる
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください
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