今日は若杉鳥子の「旧師の家」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
この私小説は、作家の若杉鳥子が、栃木の鬼怒川を通って、詩人の横瀬夜雨に逢いにゆく、実話を淡々と描いた物語なんですけど、文体も内容もごく普通のはずなんですけど、とても印象深かったです。ちょっと気になったので、どういうルートを旅したのか、その一部をGoogleマップで調べてみました。100年ほど前にこのあたりを、大宝駅から列車に乗って、東京まで帰っていったようです。
どこにこの短編小説の美しさの秘密があるんだろうか、と何回か読んでみたんですが……やはり私淑している詩人に逢いに行った思い出についての、嘘のない心情が平熱の文体で描かれているのが良いのであって、マネの出来るような何かじゃないんだろうと、思いました。
横瀬夜雨は身体が不自由な詩人で、恋愛詩を描いた。こういう詩があります。
花なる人の
恋しとて
月に泣いたは
夢なるもの
破れ大鼓は
叩けどならぬ
落る涙を
知るや君 (横瀬夜雨)
恋しとて
月に泣いたは
夢なるもの
破れ大鼓は
叩けどならぬ
落る涙を
知るや君 (横瀬夜雨)
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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