

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(13〜14)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
譲治はずっと会社員をしているわけなんですが、そこでは上辺のつきあいしかなく、じつはナオミと結婚したこともちゃんと報告していなかった。若いナオミに翻弄されているという事実も、会社の同僚はまったく知らない。なんでも透明化すれば良いってもんでも無いとはおもうんですが、そこまで重大なことも伝わっていない関係というのは、やばいなと思うんです。
谷崎は、自由で計画性のある人生をすごしてきたはずなのに、なんでこう、不自由で無計画な男のことが、こんなにもよく判るんだろうかと、読んでて面白かったです。ナオミはもしかして、奔放に浮気をしているかもしれない。譲治はそのことについて悩んでいる。
谷崎は、やっぱり恋愛の情景を描くのがみごとで、まるで印象派における裸婦の絵画のように美しい文章を記します。ピエールボナールの浴槽の裸婦 (Nu Dans le bain)という作品を想起しました。描かれた年代もほぼ同じなんです。谷崎が本作を1924年に発表して、ボナールは10年後くらいにこの絵画を描いている。ちょうど同時代なんだなあ、と思いました。ナオミと譲治は仲直りをして、10日間ほどの休暇をもらって、二度目のハネムーン……のような旅に出かけるのでした。しかし、そこでも……。次回に続きます。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
ゲーテは詩心についてこう記します。
わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか
どんなに悩み、どんなに生きたかは
ここなる花輪の花となる
さうして老境もまた青春も
徳も不徳も集めて見れば
また捨てがたい歌となる
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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