

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その4を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
谷崎潤一郎は、新しい道具が日本の伝統を引き継いでいない、ということを憂慮していて、さらにまったく同一の道具を使うときでも、国によって差異は明らかに出て来ると言うんです。世界中の映画の、陰翳のみを取り上げても、まるで異なるでしょうと、言うんです。
西洋で写真技術が出てきたあとに印象派が生じたように、日本独自の機械が出てきたら、より地域性の色濃い現代アートが出たはずだ……という問題なんですが、考えてみれば浮世絵はたしかに、日本固有の紙漉き技術と日本人の美意識の2つが組み合わさって作られたから、ゴッホもモネもそれに驚歎したわけで、装置と作品と両方とも独自だと凄いことになるんだろうなと、感じます。
とにかく映画だけはやっぱり日本独自の新しいものが作られ続けたなあと、そこは自分としてはすてきなことだと思いました。谷崎潤一郎はこう書きます。
映画を見ても、アメリカのものと、佛蘭西や独逸のものとは、陰翳や、色調の工合が違っている。演技とか脚色とかは別にして、写真面だけで、何処かに国民性の差異が出ている。同一の機械や薬品やフイルムを使ってもなおかつそうなのであるから、われわれに固有の写真術があったら、どんなにわれわれの皮膚や容貌や気候風土に適したものであったかと思う。
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(約5頁 / ロード時間約30秒)
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
ゲーテは詩心についてこう記します。
わたしがどんなに迷ひ、どんなに努めたか
どんなに悩み、どんなに生きたかは
ここなる花輪の花となる
さうして老境もまた青春も
徳も不徳も集めて見れば
また捨てがたい歌となる
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
『ゲーテ詩集』全文を読むにはこちらをクリックしてください
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