今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その80を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
芸術創作の、前期と後期というのが気になるのですが、たとえば画家のジョルジョ・デ・キリコは、高齢になってから若い頃の画風を再構成するようにして、再び20代の頃の方法で絵を描きはじめている。自身のコピーを平然と制作し、さらに制作年月まで何十年も以前の年号をサインして批判を浴びたことは有名な事実なんですが、キリコはそうやって若い頃の自分自身を甦らせる独特な観念を持っていて、長命な画家だった。
そういえばハイネが尊敬していたゲーテのファウストでも、主人公は、老いてから若い己を甦らせて、もういちど若い頃から生き直すという物語を描いている。ゲーテはそのファウストを寿命を迎える80歳頃まで永々と書き継いでいた。
今回のハイネは、今までにいくたびも見た、幸福の描写のすぐあとに不幸を重ね合わせるように描く、というハイネ独特の詩作なんですけど、その様式が先鋭化している。
中国で言うなら禍福糾纆といった概念をハイネはいつも詩に織り込んできた。今回記されているアスラというのはおそらく、阿修羅のことであるとおもいます。
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ここからは新サイトの「ゲーテ詩集」を紹介します。縦書き表示で読めますよ。
幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
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