ゴリオ爺さん(1) バルザック

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今日はバルザックの「ゴリオ爺さん」その(1)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今日から12回にわけて、バルザックを読んでみます。4章で完結する長編小説です。
 
 
坂口安吾が、ある随筆で、ドストエフスキーと並んで優れた作家として、このバルザックの名をあげているんです。坂口安吾にとってもっとも重大な文学ということで、さっそく読んでみたいと思います。
 
 
作者はいきなり冒頭から、衝撃の結末が描かれているので、パリ中の涙を誘うことができるだろう、と予言して、さらにこれは紛れもない実話なんだ、と書きしるして、この物語をはじめています。なんだろうかという始まり方です。
 
 
手練手管の語り口だ、と思わせるのは、低地という独特な地形にくわえて、食事付きの下宿というのが登場するところです。舞台設定が完璧だな……とか思いながら読みました。その安アパートは薄汚れていてすごい匂いがするんですが、おかみさんは人情味のある人で、困っている人たちを安い家賃で住ませてメシを作ってあげている。
 
 
wikipediaに判りやすい小説紹介がありました。こう書いています。
 
 
  1819年のパリを舞台に、子煩悩な年寄りゴリオ、謎のお尋ね者ヴォートラン、うぶな学生ウージェーヌ・ラスチニャックの3人の生き様の絡み合いを追う。
 
 
この3人と宿のおかみさんヴォーケが主人公みたいです。
 
 
この流麗な語り口が好きになりました。
 
 
  ……
  結局こういう男を見ると我々は次のように言うのだ。『まあ彼のような人間もいないと困るんだ』美しいパリは道義的な、あるいは肉体的な苦痛で真っ青になっているこの人物には気づかない。しかしパリは真に大海なのだ。その深さを測ってみ給え、貴方は決してどれほど深いのかを知ることは出来ない。……
 
 
ウージェーヌ・ド・ラスチニャック(ラスティニャック)というのが貧乏な家出身の、向上心の旺盛な学生で、この登場シーンが印象深かったです。この若者は、優雅な女を射止めて、金持ちになってやろうと考えて、乱暴な野心でもって突き進み、学生なのに社交界の中にどんどん入りこんでいるところなのです。
 
 
3人ともみんなそれぞれに、挫折を抱えて生きている。みな哀れさの中で暮らしている。その中でも、ひときわ惨めな存在と、思われているのが、ゴリオじいさんなので、ありました。
 
 
ところがこのおじいさんは、じつはたいへん高額な年金を受けとっているようである。ではなぜヴォーゲおばさんの安い下宿にいつまでも住んでいるのか? ゴリオじいさんの娘たちは、大変に裕福で、パーティードレスにしか思えない高価な服をきて、ときどきこのゴリオじいさんが住みはじめた、ボロアパートのメゾンヴォーケにやってくる。
 
 
おかみさんは、なんだかゴリオじいさんに対して怒っている。ゴリオ氏が金持ちなのか貧乏人なのか、さっぱり判らないから、なんですが……どうも、彼は娘たちを愛するあまり、破産してしまったらしい。
 
 

 
 
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(作中[1][2][3]などの数字表記があります。その箇所を解説した訳註はこちらをご覧ください。)







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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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