それから(4) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の「それから」その4を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
代助は、ロシアの作家アンドレーフが1908年に書いた『七死刑囚物語』を読んで、その死刑囚になったらどうするだろうと、考えている。なぜ殺される人間に感情移入するかというと、代助の家には暗い過去があるからで、代助はその父や祖父や伯父の暗い人生を詳細に思いだしている。
 
 
武家の殺人が、漱石の時代では生生しい過去としてあったわけで、衝撃でした。そのダンテ地獄篇で繰り広げられるような際限ない諍いの世界から、急に翻って、煉獄篇の入口のような、なにもすることがない閑人の世界がひろがってゆくのが、なんだかリアルだと思いました。
 
 
友人の平岡は、銀行を辞めてから、ずいぶん調子を崩してしまった。後日、平岡の奥さん三千代が、代助の家にやってくる。平岡の家では、子どものことで不幸があって、そこからどうもうまくゆかない。三千代は、あす引っ越すのだが、すこし金を貸してもらいたい、と申し出るのだった。
 
 
この文章が印象に残りました。
 
 
  代助は両手を頭の後へ持って行って、指と指を組み合せて三千代を見た。三千代はこごんで帯の間から小さな時計を出した。代助が真珠の指輪をこの女に贈ものにする時、平岡はこの時計を妻に買ってったのである。代助は、一つ店で別々の品物を買った後、平岡と連れ立って其所そこの敷居をまたぎながら互に顔を見合せて笑った事を記憶している。
 
 
漱石は、いくつかの作品で、さまざまに三角関係を描いたんだなあと思いました。男二人と女一人という状況の描写が、じつに漱石っぽいんです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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