門(9) 夏目漱石

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今日は夏目漱石の『門』その9を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
金の懐中時計を盗んだ泥棒は、これを上手く処分して金にできなかったので、なんとなく返却しにわざわざ犯行現場に戻ってきて、盗品を黙って返していった、というんです。その謎はいったいなんなんだ、と思うんですが、盗みに入られた坂井は、まあ良かったとしか思っていない。ずいぶんゆっくりとした時代なんです。
 
 
坂井は裕福な道楽者で、骨董品が好きなんですが、つい先日金に困って宗助が売り払った抱一の屏風を、知らぬ間にこの崖の上の坂井が買い取っていた。なんだかこう、いろんな品物が右から左へ、右へ左へと受け渡されていってるのが滑稽なんです。
 
 
もしかすると、島崎藤村の書いた「破戒」の設定が、想定外に漱石の「坊っちゃん」に似ていたり、正岡子規のやっていた趣味のことを漱石が小説に書いていたり、その辺の文学黎明期の妙について描いているような気がしました。
 
 
そういえば、この小説の題名も、他人にランダムに決めさせたものなんだし、なんだかこう、モノや関係が入れかわって移動してゆくところを、漱石が描こうとしているようなんです。さらには、かなり年下の弟なんだけど、まるで養子みたいな状態の小六が家に居る。漱石は、幼い頃に、育ての親が2回も入れかわっておるんですが、そこで体験した不可思議について、今回この小説で描いているんだと思います。
 
 
作中に登場するインヴァネスというのは、こういう洋服のことです。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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