陰翳礼讃(14) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その14を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
茶色や赤や金色の髪をした女性が多い西洋では……黒髪はゴージャスに思えるらしいんですよ。でも日本では黒髪を陰翳に溶け込ますものとして美的に認識してきた……。
 
 
現代人には理解不可能な、お歯黒の美というのは、あれは四方を陰翳に溶かした空間で効果を発揮する。今回の章は、異形の旅というか、なんだか果てしない旅の一幕を読んだような、谷崎の筆致が冴える闇の描写でした。現代なら、大停電の夜にしか見ることの出来ない完全な闇と、力の無い蝋燭の明かりについて描きだしています。全文を読まないけど、内容を知ってみたいかたは、今回の章を1分間で読んでみてはいかがでしょうか。異界へ旅したような気持ちになりました。
 


 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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陰翳礼讃(13) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その13を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
重要なことに関して黙して語らず……というのは日本の特徴で、西洋式ではこれをとかく明るみに出してしまう。
 
 
谷崎潤一郎は、霊でさえガラスのように輝く存在として描きだす西洋のまなざしというのを日本文化と比較してみせるんです。なんでも明るく描写してしまうのが西洋なんだ、と言うんです。この記述が極めて印象的でした。
 
 
  われわれの空想には常に漆黒の闇があるが、彼等は幽霊をさえガラスのように明るくする。
 
 
この一文が衝撃でした。ドイツの戦後社会には旧ファシズムへの絶えざる批判というのがあったのに対して、日本の場合はこれはさして世間で語りつがれなかった。けれども、世界でもっとも顕著に非戦の憲法が残り続けているのは日本で、そこには語られぬまま在り続ける、黙す文化というのがあるんではないかと思いました。谷崎は、日本と西洋の工芸品を比較して、こう書きます。
 
 
  われわれの好む色が闇の堆積したものなら、彼等の好むのは太陽光線の重なり合った色である。
 
 
谷崎の幽霊とゴースト論は、すこぶる刺激的で、正確には本文を読んでもらったほうが早いんですけど、古き日本なるものの正体が開示されているように思いました。これは現代日本と伝統との対立のようにも読めるんですよ。
 
 
古き日本に於いては「人は己れの置かれた境遇の中に満足を求め、現状に甘んじようとする風があるので、暗いと云うことに不平を感ぜず、それは仕方のないものとあきらめてしまい、光線が乏しいなら乏しいなりに、却ってその闇に沈潜し、その中におのずからなる美を発見する。然るに」西洋人は「常により良き状態を願ってまない」……。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(12) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その12を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
服で身体が隠れていることを、谷崎潤一郎は、美であるというんです。風姿花伝でも語られている箇所を、谷崎潤一郎が論考しています。ぜんぶはっきり見せたら美じゃ無い。べつに隠れているところすべてが美というわけではなく、陰翳や服で姿を秘するから美なんだと。源氏物語でも、本名や顔がえんえん隠れていたりしている。素性が隠されていたりもする。
 
 
谷崎よりすこし前の時代は、女性は顔と手だけが見えていて、あとはぜんぶ隠されているんだといっています。だから美なんだと。なにかを包み隠すことで作られてゆく美しさがあるような気がしました。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(11) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その11を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
100年前あるいは数百年前の能における照明は、どうも今よりもはるかに暗かったらしい。Youtubeで能を調べてみると、現代では舞台のすみずみまで光に包まれていて、陰がいっさい無く、まるで金箔で彩られた日本画のように作られています。本来なら姿が見えないはずの、笛、小鼓、大鼓、太鼓といった囃子の人々の顔にまで仔細に光を当てているんです。
 
 
野外でやる能でもやはり全体に均一に光をあてて、陰翳を除外している。
 
 
よくよく調べてみると、谷崎潤一郎が述べているような、陰翳に包まれた、ほとんど見えない能の舞台というのも、現在にやはりあるんですよ。この 能「鉄輪」 という動画では、なにもかもが陰翳に包まれているんです。シテの顔も、着物と闇に隠されている。囃子の服装も暗く、陰翳に溶け込んだ色彩になっている。
 
 
そもそも能では、登場人物の表情が完全に闇に隠されている。風景も暗闇に隠されている。陰翳に隠される現実世界の夜と、同じ構造がある。
 
 
谷崎潤一郎は、能と歌舞伎と文楽を比較して、こう書いています。
 
 
  大阪の通人に聞いた話に、文楽の人形浄瑠璃では明治になってからも久しくランプを使っていたものだが、その時分の方が今より遙かに餘情に富んでいたと云う。
 
 
谷崎は暗がりに包まれた能の舞台について……「能に附き纏うそう云う暗さと、そこから生ずる美しさとは、今日でこそ舞台の上でしか見られない特殊な陰翳の世界であるが、昔はあれがさほど実生活とかけ離れたものではなかったであろう」と記します。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(10) 谷崎潤一郎

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谷崎潤一郎は光と反射と質感、そして和室の空気感について詳細に述べはじめるんです。暗闇でどうしてものが光るのか……。本文こうです。
 
 
  時とすると、たった今まで眠ったような鈍い反射をしていた梨地の金が、側面へ廻ると、燃え上るように耀やいているのを発見して、こんなに暗い所でどうしてこれだけの光線を集めることが出来たのかと、不思議に思う。それで私には昔の人が黄金を佛の像に塗ったり、貴人の起居する部屋の四壁へ張ったりした意味が、始めて頷けるのである。
 
 
金色は暗がりに包まれた和室にあって光を集めて「その照り返しは、夕暮れの地平線のように、あたりの闇へ実に弱々しい金色の明りを投げているのであるが、私は黄金と云うものがあれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う。」と書くんです。くらやみの室内を照らしだすからこそ黄金が貴ばれたのだ、と言うんです。
 
 
陰翳礼賛を全文は読まないけれど、ちょっと内容を知ってみたい方は、今回の10番目の随筆をぜひちょっと読んでみてください。
 
 

 
 
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陰翳礼讃(9) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その9を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
谷崎潤一郎は、絵筆を持たない画家であるかのように、実に独自な視覚について述べてゆくんです。今回は日本座敷の美について論じているんです。障子からもれる静謐な光について描いています。恐ろしささえ思い描かせる座敷には、陰翳の魔法がかかっている……と美しい文体で記すんです。
 
 
照明を隅々にまで当ててしまった場合、そこからもはや美が消失する……。西洋絵画で言うならボッティチェッリの『プリマヴェーラ』は陰と黒の描写が美しく、日本画は狩野派の金箔絵画のように、いっけん影が無いものばかりのようですが、それでも蕪村の『鳶鴉図』はまさに影と闇の色が全体の美を形づくっています。日本画では影をゼロにすることによって美を構成してきたんですけど、その中で現代日本絵画のような、陰翳の美を捉えはじめたのは誰からだろうか、ちょっと調べてみたんですけど、自分で判った範囲では、おそらく長谷川等伯こそがまずいちばんはじめに、木々の影で美を描きだした。それから、少し現代に入ると東山魁夷が森の奥に潜む青青とした陰を絵画に描きだしたんだと思いました。ちょうど現代の日本画家は、かつての日本美術が捉えてこなかった影を盛んに描いているんです。
 
 
谷崎潤一郎が「陰翳礼讃」を記したころから、日本美術が陰翳を主役にして描くようになった気がしました。じっさいにはそれより前の時代から急に、日本美術に陰翳が現れてきたんです。17世紀のレンブラントフェルメールの画集が日本に入ってきた時に、陰翳の描写に対する衝撃があったのではないでしょうか。
 
 
谷崎の描きだす陰翳の空間と、障子からとどく淡い明かりの描写が秀逸でした。陰翳が色濃く、障子の白がただひたすらに白いだけで、光としての力を持っていない。この力を持たない存在こそが、そこはかとなく幽玄で、瞑想的な美をかもしだしている……。ここでの谷崎の筆致が、なんともいえず凄いんです。

 

 
 
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陰翳礼讃(8) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」その8を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ついに谷崎潤一郎が、美に関して具体的に論じ始めるんです。そのまえに7つの話題があったわけで、そこでもとうぜん美を論じているんですけど、明確に論じると言うよりも、そこにある美を絵画のように描写してきた。こんどは西洋の伝統建築と、日本の寺院における建築様式とその美について比較して、それからこう記しています。本文こうです。
 
 
  美と云うものは常に生活の実際から発達するもので、暗い部屋に住むことを餘儀なくされたわれわれの先祖は、いつしか陰翳のうちに美を発見し、やがては美の目的に添うように陰翳を利用するに至った。
 
 
谷崎は、日本の屋根が幅広くて陰翳の空間を大きくしているほど、美を有していると言うんです。「日本の屋根を傘とすれば、西洋のそれは帽子でしかない」というのが興味深かったです。西洋では内側に凝った建築を作るのに、野外に影や空間を形づくることに関してはほとんどどの西洋建築家も興味を抱かなかったんだなと、初めて気づきました。
 
 
日本には、雨宿りという行動がごく自然にあり得るわけなんですが、それもじつは日本の建築に「屋根を傘のようにつくる」という美の意識があるからで、西洋式ではそれはむつかしい。古いバス停の屋根だとか、門の外側に置かれた菊の花とか、その外側に空間を形づくろうとする意識は、今もやっぱりある。
 
 
むかしは日傘を差した男というのが居たらしいんですけど、谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」に通じる感覚を持っていた人なのかもしんないなあ、とか思いました。
 
 

 
 
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