赤いカブトムシ 江戸川乱歩

今日は江戸川乱歩の「赤いカブトムシ」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これはもう完全に、小学校の3年生向けに書かれた、ひらがな中心の児童文学というか、子ども用の探偵小説なんですけれども、読んでみると面白かったです。
 
 
怪しい「黒マント」という男があらわれて、子どもたちがこれを、追いかけまくるんですけど……ハリウッドのテレビドラマみたいに、第1章のオチと次章の始まりが印象的なんですよ。2章の始まりがこうなんです。
 

森の中の、ふるいせいようかんのまどから、小さい女の子が、たすけをもとめてなきさけんでいた、そのあくる日のこと。
 
「たんてい七つどうぐ」とか「どこかに、かくし戸があるにちがいない。どこだろう。」とか「ちかしつへのおとしあな」とか「まっくらなほらあなのおく」とか「せいどうのまじん」とか……現代の最新ゲームでもしょっちゅう出てくるモチーフが描きだされていて、するすると読めました。
 
 
「まほうはかせ」と少年たちの闘いがおもしろかったです。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(49)

今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その49を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ハイネは「真黒」という色彩をこの詩集に数回使っているんですが、それが印象深かったです。ハイネは、太陽と海を、真っ黒に描きだすんです。はげしい自然の描写で、黒が用いられるんです。ハイネは、美しい女がまるで真っ黒な太陽のようだ、と明喩で表現します。
 
 

おゝ、真黒な太陽よ
わたしはどんなに感動して
どんなに屡々おまへの焔を飲んだらう
 
  

 
 
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こども風土記 柳田國男(12)

今日は柳田國男の「こども風土記」その12を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
昔は土の柔らかさや、土の状態を知ることが、重要な場合が多かったわけで、柔らかい土に枝をさして遊ぶ「ネッキ」あるいは「ネンガラ」というゲームが、子どもたちのあいだで流行した。けれども柔らかい土が人々の暮らしから失われて、コンクリートやアスファルトが増えてゆくと、この遊びも消え去っていった。
 
 
ちょうどPCがどの企業にも導入されていった20世紀末に、子どもたちはゲーム機に夢中になったわけで、大人たちの仕事と子どもの遊びは繋がっているところが多い。
 
 
それからもしかすると、ネットしか情報源の無いぼくたちが知らないだけで、「」遊びも、ネットが導入されていない農村の家々や、世界中にある豪農の庭先では、ごくふつうにこれを今も遊んでいるのかもしれないなあ……と空想しました。誰も言葉にしないところを柳田国男が書いているのだ、と思いました。
 
 

 
 
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てのひら自伝 坂口安吾

今日は坂口安吾の「てのひら自伝」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
ドストエフスキーは重度の賭博依存症だったらしく、どうして優れた長編小説を書ける人が、ギャンブラーなのかよく判らない、と思っていたんですけど、この随筆を読んでなんだか腑に落ちました。
 
 
不幸のほとんどは、怠慢や知識不足というよりも、運のみによって起きることが多い、という話しを聞いたことがあるんですけど、たとえば飛行機事故だったら、安全対策も整備も操縦も他人任せで、自分ではどうにもできないわけで、そうなると幸運を祈りつつ、目的に向かうしかない。
 
 
計画とか将来設計とか損得を重要視するのは、運が人生を大きく左右することを無視しているわけだから、あんまり意味が無いのかもしれないなあとか、本文とほとんど関係無いことを考えました。
 


 
 
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ハイネ詩集(48)

今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その48を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
どうしてそこで「!」マークをつけたのか不思議だ、というところにハイネが「!」をつけている。どこにこの「!」をつけたかというと、海がいでいることについて、ハイネはそれを大声で言いたいようなんです。
 
 
そういえばハイネのもっとも有名な代表作は、ローレライという、ライン川の伝説を描いた詩です。
 
 
ハイネは自然界に対して、目を見ひらいていて、これを歌っているんだなあと、思いました。明るい詩でした。
 
 

 
 
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こども風土記 柳田國男(11)

今日は柳田國男の「こども風土記」その11を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
柳田國男が、子どものごく原始的な遊びのことを書いてるんです。今回描かれている、棒倒しをする遊びはすごく簡単なものだと思うんです。Youtubeの1分動画で見たら、どんな人でも一瞬でルールが判るような、ほんとにかんたんな遊びのことを書いているんです。すごくシンプルな2人遊びだったはずなんです。
 
 
でも柳田がそのことを書いていると、どうもルールがよく判らない。おそらく、柳田は遊び方を伝授しているんじゃ無くって、習俗と遊戯がどういうように繋がっているかを述べているから、遊びのルールがよく判らない。そういう書き方をしているんだろうと思いました。なんだか遠くの国で起きた噂話を聞いているような、曖昧模糊とした印象を受けるんです。
 
 
これたぶん、柳田は、そういうことを目指して書いてるんだなと思いました。妖怪とか、伝説とか、方言とか、アイヌ語とか、あるいは学問上疑問の残る仮説とか……、普通に教育を受けて普通に暮らしていたのでは、判然としないものごとを、あえて柳田國男は描きだしている。
 
 
砂場でよく、棒倒しという遊びをしたことがあります。それとメンコ遊びも。この2つを掛けあわせたような「ねんがら」という遊びを、柳田國男は子供時代によくやっていたそうです。面白い話しなんですけど、こんなかんたんな遊びのルールが判然としないのは、いったいなぜなんだと、言語の伝達の不確かさが気になりました。
 
 
調べてみると、この「ねんがら」というのは、2人くらいで遊ぶゲームで、柔らかい地面に、20センチくらいの棒を投げて突きさして、この相手が突き刺した棒めかげて、自分のをメンコみたいに投げて、バチッと弾いて相手の棒が倒れたときに、自分の棒が地面に突き刺さって立っていたら勝ちで、相手の棒をゲットできる、という遊びだったようです。
 
 
あとどうも柔らかい地面が街から消えてしまったのが、この遊びが消滅した主因みたいです。



 
 
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死のなかの風景 原民喜

今日は原民喜の「死のなかの風景」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは「原爆小景」という詩集の作者原民喜が、戦後の1951年に発表した短編小説です。
 
 
原民喜の初期作品と後期の翻訳を見ていて、いちばん印象に残ったのは、氏はそもそも童話作家からスタートして、最後まで童話について考え続けていた、ということを知ったことです。原民喜はスウィフトの『ガリバー旅行記』のように優れた童話を、いつかみずから描きだして、子どもたちに読ませたかったのだ、と思いました。
 
 
「死のなかの風景」の作中に「彼は」という記述がいくつも出てきます。それから「映画会社」という言葉も。戦争中の人々の生を描きだしているんですが、童話作家として長年培ってきた三人称の物語描写と、日記や随筆とも通底している平易な文章とが入り混じった文体で、物語に引き込まれました。

 
この物語には、「彼」「妻」「母」「友」という記述がほとんどで、固有人名が書かれていないんです。誰からも語られなくなった、誰も思いだすことが出来ない死者について、原民喜が描こうとしたから……なのかもしれない、と思いました。
 
 
作中に描かれるブリューゲルの『死の勝利』という絵画については、野間宏が戦後すぐにこれを描きだしていました。終章も『暗い絵』と通底している物語構成でした。
 
 

 
 
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