鬱屈禍 太宰治

今日は太宰治の「鬱屈禍」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
太宰治は、アンドレ・ジッドの芸術論がお気に入りなんです。本文こうです。
 
 
  こういう言葉がある。「私は、私の仇敵きゅうてきを、ひしと抱擁いたします。息の根を止めて殺してやろう下心。」これは、有名の詩句なんだそうだが、誰の詩句やら、浅学の私には、わからぬ。どうせ不埒ふらちな、悪文学者の創った詩句にちがいない。ジイドがそれを引用している。
 
 
太宰は「貧しい悪作家であるが、けれども、やはり第一等の道を歩きたい。つねに大芸術家の心構えを、真似でもいいから、持っていたい。」と書き、またジッドは「芸術は常に一の拘束の結果で」あると書いてから、こう記しています。
 
 
  「芸術は拘束より生れ、闘争に生き、自由に死ぬのであります。」
 
 
ちょっと抜粋では太宰治の書こうとしていることがちっとも引用出来ないので本文を読んでもらうしか無いんですが。太宰も坂口安吾も愛読している、ジッドの評論を読んでみたいなあと思いました。 
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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痴人の愛(25〜26) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(25〜26)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
まるで西洋映画の女優のような姿に生まれかわってしまったナオミに、譲治はおどろいている。ナオミの美しさを描写するその筆致が鮮やかなんです。
 
 
予想外に美しくなって、自由に不倫をつづける妻に、いわく言いがたく魅了されてゆく譲治の煩悶のさまを読んでいたら、こう、現実の恋愛体験じゃないのに、読んでいるだけでドキドキするんですよ。悪女ぶりというか奔放なナオミがすごいんです。……近代文学にこんな生々しい小説があったのか……と衝撃を受けました。別れたはずの妻が毎晩家にやってきて誘惑をする。夫婦生活を営んでいた頃は風呂でも一緒だったのに、今は指一本触れることができない。そこでナオミは甘い吐息を吹きかけるだけで、夫を誘惑するんです。夫はそれに悶絶する。ほんの一文でも迫力があります。本文こうです。
 
 
  彼女の息は湿り気を帯びて生温かく、人間の肺から出たとは思えない、甘い花のようなかおりがします。
 
 
 
 
 

 
 
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ハイネ詩集(35)

今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その35を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「今わたしはおまへのかはいゝ眼の / 輝くところに踏み止まる——」という詩の言葉がすてきな今回の作品なんですけど、これがいつ描かれたのかぼくには調べられなかったんですけど、どうも前後の詩から見ても、学校時代のことを大人になってから思いだしつつ描いているように思える。ハイネの描きだす、みずみずしい恋愛描写を、楽しんで読みました。
 
 

 
 
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北京と巴里(覚書) 横光利一

今日は横光利一の「北京と巴里(覚書)」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
横光利一は、組織だったものを描きだすのが特別に上手いんだと思うんですけど、今回は昭和初頭における北京という都市の様態を活写しています。この「北京と巴里(覚書)」という随筆の初出は1939年(昭和14年)2月ごろなんですけど、ほんの10年で世界は目まぐるしく変わっていると、横光利一は言うんです。1921年ごろに芥川龍之介が、北京を1カ月ほど訪れている。その頃と比べて、10数年後の北京は変化した、と横光利一は言うんです。
 
 
中国と言えば鴻大な土地柄で、一度別れると国土が広すぎるので二度と出会えなくなったりする。それから都市と田舎で、人生がまるで異なっている。さらに中国はここ百年大きな変化をし続けてきたようで、時間と共に都市が変化する。
 
 
横光利一は、北京に「小唄のような哀れな歌調をもった節回しだけ」が残された、その芸術の奥に隠された、歴史の深さ暗さを指摘しつつ、北京に於ける芸術に「かくのごとき巨大な装飾物が偶然に出来上ってしまった」ことは、「まさにそれは自然の傑作とも云うべきものであろうか。これは文化というべき物ではなく、山川のごとき自然物なのである。」中国の「中でも北京は他のいかなる都市よりも安眠に適している」それはどこか死に等しいような無意味を感じさせる静けさだと、言うんです。
 
 
横光利一は100年ほど前の、パリと北京の文化の違いを比較するんです。そこでの比較がすごいんですよ。パリには、兵士の死をまのあたりにしたときに「われ想う故にわれ在り」と考えたデカルト等の哲学があって、それは町並みを見ていても幾何学的な統制を感じることができる。いっぽうで1世紀前の北京には無我とでも言えば良いのか、諦観と現実と自然だけがある……。その町並みはまるで「生れる前の故郷へ帰った気」がしてくる。
 
 
横光はこう警告します。「自分の頭の中が変らなければ昨日も今日も視点は同じというべきである。ところが、(西洋文化がどんどん入ってくるわれわれの)混乱の理由は、頭を変えるべき必要のあるものと、その要のないものとの混同が、今日の混乱の有様をも形造っていることを見逃がすことは出来ない。」詳しくは本文をご覧ください。
 
 

 
 
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痴人の愛(23〜24) 谷崎潤一郎

今日は谷崎潤一郎の「痴人の愛」その(23〜24)を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
失恋した男2人で街を徘徊しつつ、どうして失敗したのか語りあっている。しまいには、どれだけ盛大に、ナオミに裏切られたのかを確認しあって、自身たちの間抜けさを笑いはじめたりする。浜田くんはこういうことを言ったりする。
 
 
  どうかしてナオミさんを救い出そうと思ったんですが、意見をするとつんと怒って、あべこべに僕を馬鹿にするんで、手の附けようがなかったんです
 
 
滑稽なのか哀れなのか、しまいにはこんなことまで言いはじめます。
 
 
「だがいいですよ、まあ一遍はああう女に欺されて見るのも」
と、私は感慨無量の体でそう云いました。
「そりゃそうですとも! 僕はとにかくあの人のお蔭で初恋の味を知ったんですもの。たといわずかの間でも美しい夢を見せてもらった、それを思えば感謝しなけりゃなりませんよ」
 
 
譲治は仕事も辞めてしまい、たった一人で家にこもって悶々としているんです。そこに不倫常習者のナオミが、のんきなようすで、自分の服と荷物を取りにふらっと帰ってきた……。あと2回で完結です。
 
 

 
 
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ハイネ詩集(34)

今日は「ハインリヒ・ハイネ詩集」その34を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
「おまへの心は金剛石ダイヤモンドだ」という言葉が印象的な今回の愛の詩なんですけど、最後の一文で意味が変わってきて、なんだか妖しい生命感が仄見えてくるのがおもしろかったです。
 
 

 
 
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枯淡の風格を排す 坂口安吾

今日は坂口安吾の「枯淡の風格を排す」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
坂口安吾は、戦争中でさえ、自分の生きたいように生きられた唯一の作家という感じがするんですけど、その安吾がどうやって己の自由を確保しえたかというのが、今回の随筆でちょっとだけ見えたように思いました。
 
 
安吾は、「枯淡」や「さび」の精神を批判するんです。そこでは自己批判が機能しない。「他人に許されるために他を許さうとする、かういふ子供同志の馴れ合ひのやうな無邪気な道徳律が」阿保らしくてイカンぞと安吾は言うんです。それよりも「悩む者の蒼ざめた悲しさ」のほうを安吾は重大視する。「悩むべきものに悩むまいとする逃避的な」態度が枯淡を求める心の中にあると言うんです。
 
 
安吾のいう「肉体をもたない悩みはまことの悩みではない。」というのがすごく印象に残ったんですけど、安吾の批判するその「まことに地についた肉の悩み」の実際を、もう少しこう、ちゃんと読み解けたら良いのになあと思いました。他人の忖度ばかりをしてしまうような、弱々しい優しさを持つ文学青年を、鼓舞するような安吾の言葉を読んでいて、この人は当時すごい先生だったんだろうなと感じました。
 
 
「架空なパラドックスを弄し」てはならん、という安吾の言葉を読んで、ウィトゲンシュタインの哲学批判のことを連想しました。ウィトゲンシュタインによれば、思考の限界を超えた言説によって、思惟の谷間に落ちてしまった者へ、元の生き方に戻るためのハシゴを用意することが、哲学にとってもっとも重大なんです。
 
 
安吾は随筆や評論がじつにみごとなんですが、小説創作はどうも上手くないんですよ。それについて安吾当人も「自分の小説の下手糞なのも打ち忘れて、(徳田秋声氏の小説に)腹が立つてくる」とか書いています。文学論も記されていて、小説の会話には、語られないものごとの秘められていることこそが肝要であって、会話の立体性こそ重大だと言うんですけど、まさに言い得て妙で、あのノーベル文学賞カズオイシグロの「わたしを離さないで」という小説は、なんだか安吾が強烈に求めている文学を完全に実現してしまっている、と思いました。安吾はジッドこそが「作家の本当」である、と今回書いています。
 
 
安吾はこう書きます。
 
 
  人間生きるから死ぬまで持つて生れた身体が一つである以上は、せいぜい自分一人のためにのみ、慾ばつた生き方をすべきである。毒々しいまでの徹底したエゴイズムからでなかつたら、立派な何物が生れやう。
 
 

 
 
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