災難雑考 寺田寅彦

今日は寺田寅彦の「災難雑考」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
この寺田寅彦の随筆は数年前にいちど紹介したんですけど、もう一度載せてみます。事故について考察した随筆です。
 
 
本文と直接関係の無い話題なんですが、きのうNHKのウェブサイトで興味深いページを見つけて読んでいたんです。つい数日前に公開された「タイムラインでみる原発事故 #あの日あなたは」というページなんですけど、原発事故がどのように起きて、人々はどのように活動したのか、その詳細を時間軸に沿って読んでゆくという特集記事なんです。ちょっと使い方がむつかしいんですけど、右下の【PageTop】というボタンをクリックすると、3月11日の始まりのところから、順を追って読んでゆくことが出来ます。いちばんはじめの記述が「多くの公立中学校で卒業式(3/11 9:00)」となっているんです。震災が起きる直前にはじつは「福島第一原発全体では、いつもより多い6350人もの人が働いていた。」と記されています。今までまったく知らなかったこともたくさん記載されています。約4日間の出来事が詳細に語られています。冒頭のこの記述が印象に残りました。
 

岩手県大船渡市で、小学校の校長を務めていた今野義雄さん。地震からわずか25分後に津波が押し寄せ、校舎は全壊。児童も含め全員無事だったのは、2日前に起きた地震による避難訓練が功を奏したと振り返る
  
 
えーと、それで寺田寅彦の『災難雑考』についてなんですが、寺田はさまざまな事故の原因と、その対策について、このように思考しています。
 
「地震の現象」と「地震による災害」とは区別して考えなければならない。現象のほうは人間の力でどうにもならなくても「災害」のほうは注意次第でどんなにでも軽減されうる可能性があるのである。
 
寺田寅彦は、震災や事故は特定の箇所で繰り返し起きるのだから、今後の対策について、事前に練る必要があると言います。本文こうです。
 
だれの責任であるとか、ないとかいうあとの祭りのとがめ立てを開き直って子細らしくするよりももっともっとだいじなことは、今後いかにしてそういう災難を少なくするかを慎重に攻究することであろうと思われる。
 
責任を問うというのは、責任をなすりつけて忘れることにするんでは無く……寺田は責任のとり方が重大だと言うんです。「設計者が引責辞職して」しまって真相が包み隠され「それで責めをふさいだというのはどうもうそではないかと思われる」と、寺田寅彦は書いています。
 
 
飛行機事故があったときに、その機体を詳細に調べて、どういう状況で事故が起きたのか、その細部を正確に記録してゆくことが重要だと、再発防止策について論じてから、寺田寅彦は、進化論や災難論について、さらには人類史を語りはじめます……。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  
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