ストリップ修学旅行 小野佐世男

今日は小野佐世男「ストリップ修学旅行」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは漫画家が書いた、短編小説です。ちょっと、すごいことを書いています。
 
 
この文章がじつにハッとしました。
 
 
  「いやその彼女達はいつも束縛があるし、なにか自分で思いきりいうことを聞く、自由にしたいものがほしいのですよ。そこで何んでも自由になる男がほしい気持ちで金をつかうのですなアー」
 
 
小学校に入学したてくらいの頃に、生まれて初めて自分で漫画を買いに行った日のことを、なぜか思い出しました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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桜桃 太宰治

今日は 太宰治「桜桃」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは太宰治が38歳で、1948年の春の頃に発表された短編小説なのですが、太宰は事実に近い身内のことを書いています。「桜桃」というのは、さくらんぼのことです。今、漱石や藤村といった作家の名作ばかりを読んでいるので、そう簡単には驚かないぞと思っていたんですが、太宰の衝撃は他には例を見ないもので、読んでいて呻りました。
 
 
太宰は作中、家で使用人を雇おうと、真面目に考えているんです。どうして、家政婦を雇いたかったのだろうかと、かなり気になりました。戦後すぐの一般家庭の事情を調べてみると、wikipediaには「日本では日露戦争や第二次世界大戦で夫と死別した寡婦が増加し、その経済的支援という側面からも家政婦斡旋が広がっていった。」と記されていました。
 
 
太宰の名作は「斜陽」「走れメロス」など、この他にも、いろいろあります。
 
 

 
 
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少女 渡辺温

今日は渡辺温の「少女」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは推理作家の、ごく一般的な掌編小説なんですが、どうにも不思議な話です。ほんの10ページほどの作品です。井深君は、ある少女のことが好きなんですが、それとはまったく無関係に、町中で、別の少女に出逢う。その2人目の少女が、どうしたわけか、びっくりするほど恋人とそっくりな顔をしている。
 
 
片思いをしている少女に、うりふたつな不良少女が町中で、なぜかひどい目にあっている。恋人にそっくりな少女が、不良なふるまいをしたということで、いじめられている。それで井深君は……。続きは本文をご覧ください。
 
 
じつに奇妙な展開をするんですが、現実にこれは、ありえる話だというオチがあって、すこぶる気に入りました。これは、とくにトリックのしかけが存在していない短編小説なんですが、推理作家ってこういう認識の不可思議を、書くんだなあと、感服しました。推理というと、殺人と推理の組み合わせが王道なわけなんですが、恋愛と推理って、ものっすごい相性が良いみたいです。知らなかったです。
 
 

 
 
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発明小僧 海野十三

今日は海野十三の「発明小僧」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
これは、ちょっと短めの本なんですが、児童向きの辞書みたいになっていて、ちょっと面白いんです。いろんなアイテムについて記されています。古い文学作品は、自然界との関係性を濃密に描きだしているところに最大の魅力があるとおもうんですが、やはりいちばんの欠点は、現代の本と比べていちじるしくユーモアに欠けるという点だと思うんですけど、これはかなりそこが、良いんですよ。子どもの頃の、ガチャガチャとか本やおもちゃの付録とかについてくるような、じつに怪しげなアイテムについて、海野十三が書いています。
 
 
後半には、戦時中の翼賛体勢と軍事力の増産について書いているのがちょっといかにも残念なんですが、地面を凍らせて大量の漏水を地下に閉じ込めることが可能だと考えた現代科学者と、ほとんど同じようにあり得ないことを、この発明小僧が創案していて、驚きました。50年くらいむかしは「小説なんか読んでいたら悪い人間になる……」と、良く言われていたそうですが、もしかするとこの海野十三がそういう風潮を図らずも造成したんではなかろうかと妄想しました。こんなひどいオモチャを、海野十三の本を読んだ半世紀前の子どもたちが自作していて、いろんな悪さをしていたんでは、なかろうかと思いました。泥をはねて人様の服を汚すような自動車に、ペンキをぶちまける、子どものための爆弾。その作り方などが記されています。このアイディア、コンビニの防犯ボールとして現代でも使われているなあ……、と思いました。
 
 
小学校の低学年の頃に、違法駐車している自動車を雑草だけで破壊するための、禁断の技、というのが流行っていて、これで車を爆発させる夢想をしていた、というアホな出来事を思いだしました……。じっさいには爆音がするだけで、ちょっと車の調子が悪くなるだけなんですけど。
 
 
今後はもう少し、海野十三の本を読んでゆこうと思いました。
 
 

 
 
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たずねびと 太宰治

今日は太宰治の「たずねびと」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
戦争が終わった、という状況で、太宰は人探しをしているようです。
 
 
これは随筆そのものなんですけれども、冒頭の書き方はもう、リフレインする詩のように、同じことを繰り返し書いているんですよ。作中に「じんどう」という言葉や「にくしみ」ということが記されていて、太宰はどうしてここで、この場面で、この言葉を使ったのだろうかと、非常に謎めいた文学性を感じました。それはでも、ぜったいにそこで使う言葉じゃ無い、としか思えない言葉が入っているんですよ。でも、やっぱり太宰はここにこの言葉を用いたくて、そのためにこの随筆を書いたんだとしか思えないんです。普通の人なら絶対にそこでその言葉は使わない。
 
 
太宰は、空襲がつづく戦中の、個人的な状況を丁寧に描きだしています。太宰治の子どもは三人居て、長女の園子(1941年生まれ)と、それからこの随筆で描かれている長男の正樹(1944年生まれ)と、戦後生まれの里子(1947年生まれ)なのですが、長男は障害をかかえていて長らく言葉をつかうことが出来ず、1960年ごろに肺炎で亡くなられています。
 
 
長女の園子にかんしては、「薄明」という随筆に詳しく記されています。作中、汽車は上野から福島をとおって青森へ向かっています。空襲の中をゆく疎開列車に、衝撃を受けました。戦争の事実そのものが描かれていました。太宰は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のことを考えていたのだろうか……と思いながら読んでいました。
 
 

 
 
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未帰還の友に 太宰治

今日は太宰治の「未帰還の友に」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
次回でとりあえず、太宰治の戦争文学についてはいったん終了しようかと思います。これらの作品の他に、太宰の長編小説があります。
 
 
太宰治の「未帰還の友に」はごく短い作品なんですが、敗戦後に、戦時中の事態を回想する形で物語が描かれています。実体験と空想の入り混じった小説は、やはり迫力があるなあ、と思いました。
 
 
文章のはしばしが、とにかく良いんですよ。僕はどうも、語彙が不足しているのでぜんぜん表現できないんですが。普通なら「親しい仲になっていた」と書くところを、太宰はこう書いています。

  つまり、君たちは、いつのまにやら、苦しい仲になってしまっていた。

そして鶴田君の発言を、こう記しています。
 
 「僕は、はじめから、あの人を好きだったのですよ。岡野金右衛門だの何だの、そんなつまらない策略からではなく、僕は、はじめから、あの人となら本当に結婚してもいいと思っていたのですよ。でも、それを先生に言うと、先生に軽蔑されやしないかと思って、黙っていたのですがね。」
 
このあとの描写がまた、すこぶる良いんですよ。責任、という言葉がとつぜん出てきて、はっとしました。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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十二月八日 太宰治

今日は太宰治の「十二月八日」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
この作品は、30代の太宰治が、1941年12月8日の太平洋戦争開戦のことを、10日以内にほぼリアルタイムで書いたものです。
 
 
「十二月八日」が書かれる前から、数多くの作家が、軍国主義の情報局(旧内閣情報委員会)から伏せ字の強制や発禁処分、そして逮捕投獄されるような悲惨な状況で、とてもじゃ無いけど、軍の批判なんて出来ない時代でした。
 
 
太宰は作中に、100年後にも読まれる日記を書かなくっちゃ、と主人公に言わせています。まさにその通りで、太宰治は70年後にも読まれる作家になったわけですけれども。
 
 
15年戦争時代の言論統制というのがどのようなものであったのか、法政大学の社会問題研究所の「太平洋戦争下の労働運動 第五編 言論統制と文化運動」というページがあるのですが、ここに正確な情報が載っていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。ドイツファシズムはヒトラーという独裁者を中心にして暴力が拡大していったのですが、日本ファシズムで中核を担ったのは軍や政府や大企業における官僚的集団だったわけで、これが最終的に滅亡以外ありえない戦争を、拡大してゆく勢力の中心になってしまった。
 
 
大規模な言論統制があって、太宰は専業作家なので、とにかく筆一本だけで何かを書かないと、生きていけないという状況にあったため、薄氷を踏むようにして戦争文学を描くことになりました。
 
 
戦後の太宰治は、占領軍のGHQからも規制を受けてずいぶん苦労をしていたようなのですが、どうもこの作品をGHQが読んじゃったのが原因ではなかろうか……と妄想していました。じっさいなぜGHQが太宰治の戦後作品に細かく削除指示を出していたのか、かなり謎なんです。
 
 
「十二月八日」は日本ファシズムの時代の、排外主義と人種差別の激しさが、如実に伝わってくる作品で、非常に生々しくて、怖ろしい作品です。戦争をするために、消費税(みたいな税金)も20%に跳ね上がっていて、戦時体制で外灯がことごとく消されて夜道が暗い。まったく現代の日本にそっくりなところがあるので不気味です。
 
 
この作品が書かれた25年ほど前に、漱石の「こころ」の冒頭で、白人が海水浴場にあらわれる場面が描かれているわけですが、排外主義の無い時代の日本は、基本的には、白人や外国人を美しい人として捉えていたのが一般的で、しかし15年戦争の時代には、軍国主義によって外国人への憎悪が煽られていて、太宰がこの作品で描いているような感覚が、世間の一般となっていた。
 
 
共感できる感情描写も多くて、無垢な赤んぼうを、女が見るまなざしにはすこぶる迫力がありました。日本のファシズムが、人間のどこまで入りこんでいたのかが明確に記されている、戦争の時代そのものの小説でした。
 
 

 
 
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 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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