レ・ミゼラブル(11) ユーゴー

 
今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第二部 コゼット』
『第三編 死者への約束の履行』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、これまで「マドレーヌ」と名乗り、工場長や市長となっていろいろと善行を積みかさねてきたジャン・ヴァルジャンだったのですが、他人を助けるために、かつて泥棒をした罪を自ら告白して、逃亡者となり、3日逃げおおしたのちに捕まり、ふたたび牢獄へ入れられてしまったのであります。逃亡の最中、ジャン・ヴァルジャンはそれまでに稼いだ大金を誰にもみつかることのない場へ隠匿したのであります。なぜでしょうか。ジャンは刑務所で9430号となって生きてゆくのであります。善良なる魂をもつジャンヴァルジャン無き都市は、荒廃を増し、私利私欲に走る人々があとを絶たず、貧しい人々を助けるものもないのでした。施政を受け持つものにはやはりノーブレスオブリージが大切なのであります。noblesse obligeとは高い地位に伴う道徳的・精神的義務のことです。ジャンヴァルジャンの、過去に対する言い逃れの無さと、権威を笠に着て自己を欺かない姿勢が、じつにこう、かっこいいと思います。テナルディエというのがひどい男で、隠された財宝のありかを吐かせるために、水責めをしようとし、それから酒責めをしようと企むのです。酒責めというのは、むやみに酒を飲ませて、情報を聞き出し、なんらかの精神的妨害をするというような行為です。ひどい人間がいたもんだ。


ある一つの不思議な伝説があって、森の中でいつもなにかを掘っている男が居る。その男はじつは悪魔で、財宝を盗みに来た人間を呪うのだという。そんな噂もあって、ジャン・ヴァルジャンが隠した財宝は見つけられないままでした。
 
 
一八二三年一一月一七日、オリオン号という船に囚人として労役に従事していたジャンヴァルジャンが、1人の水夫を救助したあと、海中へと飛び込まれたのです。ジャンヴァルジャンの行方は発見されず、事態は謎に包まれてゆくのでした。




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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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レ・ミゼラブル(10) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第二部 コゼット』
『第二編 軍艦オリオン』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。

これまでのあらすじを、wikipediaから引用します。
1815年10月のある日、75歳になったディーニュのミリエル司教の司教館を、ひとりの男が訪れる。男の名はジャン・ヴァルジャン。貧困に耐え切れず、たった1本のパンを盗んだ罪でトゥーロンの徒刑場で19年も服役していた。行く先々で冷遇された彼を、司教は暖かく迎え入れる。しかし、その夜、大切にしていた銀の食器をヴァルジャンに盗まれてしまう。翌朝、彼を捕らえた憲兵に対して司教は「食器は私が与えたもの」だと告げて彼を放免させたうえに、二本の銀の燭台をも彼に差し出す。それまで人間不信と憎悪の塊であったヴァルジャンの魂は司教の信念に打ち砕かれる。迷いあぐねているうちに、サヴォワの少年プティ・ジェルヴェ(Petit-Gervais)の持っていた銀貨40スーを結果的に奪ってしまったことを司教に懺悔し、正直な人間として生きていくことを誓う。

1819年、ヴァルジャンはモントルイユ=シュル=メールで『マドレーヌ』と名乗り、黒いガラス玉および模造宝石の産業を興して成功をおさめていた。さらに、その善良な人柄と言動が人々に高く評価され、この街の市長になっていた。彼の営む工場では、1年ほど前からひとりの女性が働いていた。彼女の名前はファンティーヌ。パリから故郷のこの街に戻った彼女は、3歳になる娘をモンフェルメイユのテナルディエ夫妻に預け、女工として働いていた。

しかし、それから4年後の1823年1月、売春婦に身を落としたファンティーヌは、あるいざこざがきっかけでヴァルジャンに救われる。病に倒れた彼女の窮状を調べた彼は、彼女の娘コゼットを連れて帰ることを約束する。実は、テナルディエは「コゼットの養育費」と称し、様々な理由をつけてはファンティーヌから金を請求していた。それが今では100フランの借金となって、彼女の肩に重くのしかかっていた。

だが、モンフェルメイユへ行こうとした矢先、ヴァルジャンは、自分と間違えられて逮捕された男シャンマティユーのことを私服警官ジャヴェールから聞かされる。葛藤の末、シャンマティユーを救うことを優先し、自身の正体を世間に公表する。結果、プティ・ジェルヴェから金40スーを盗んだ罪でジャヴェールに逮捕される。

以上が、第一部のあらすじであります。

前回、フランス軍とイギリス軍の戦いに巻きこまれた教会が無人となり、やがて燃やされ、キリスト像だけが残されました。
フランス軍が破れ、ポンメルシーという名の将校が、テナルディエという金入れと時計を盗んだ男に、偶然助けられます。テナルディエというのは「コゼットの養育費」と称してファンティーヌから金をなんどもせびったあの男です。

ぼくはじつはですね、世界史というのを高校1年生のころ教えられて以来、もう授業は永遠に無かったわけで、世界史の詳細をほとんどまったく知らないまま育ったのです。ぼくの頃の受験というと日本史をやったら世界史はやらないで良いという仕組みなのでした。それで、ユーゴーを調べながらちょっとだけ世界史のことを調べてみたんですが、これってイギリスとフランスが戦った第2次100年戦争(1689年~1815年)やフランス革命(1789年7月14日のバスティーユ襲撃に始まり、ナポレオン・ボナパルトによる1799年11月9日のブリュメール18日のクーデターで終焉)やその後の時代のことが描かれているんですが、フランスとイギリスの間にある城というと、ランス川河口にあるモンサンミッシェル城が有名です。世界遺産になっていて、1度は訪れてみたい修道院です。このモンサンミッシェルは、100年戦争の時代には、イギリス軍に抵抗するための、フランス軍の要塞になっていたわけです。

モンサンミッシェル城  (c)photo by b3rny

モンサンミッシェル城  (c)photo by b3rny



この海のピラミッドとも評されるモンサンミッシェルと、文学者のユゴーに関係があるというのをご存じでしょうか。ユゴーはモンサンミッシェルのすぐそばにあるジャージー島・ガンジー島に17年間亡命していたんですが。じつは、ユゴーがですね、モーパッサンらと共にモンサンミッシェル修道院の保護・補修の運動を起こす以前の70年のあいだ、このモンサンミッシェル修道院というのが、監獄になっていたそうなのです。ぼくは知りませんでした。フランス革命後に、モンサンミッシェルは反体制派の司教さんなどを閉じ込める牢獄として使われていたんだそうです。このモンサンミッシェルの囚人とされた人々はなんと1万2千人ほども居たそうで、囚人に食事を与えるための、大きなつるべなども残されています。1000年ほどを修道院として使われていたわけなのですが、70年間は監獄だった。「この監獄に変えられてしまった世界を、元の修道院へもどそう!」という運動をやったのが、レミゼラブルの著者ユーゴーなのです。ユーゴーは、「死刑囚最後の日」なども書いていて、囚人や人権の問題につねに取り組んでいた文学者なんです。



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レ・ミゼラブル(9) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第二部 コゼット』
『第一編 ワーテルロー』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。

前回、第一部の終章で、病床のファンティーヌは一人娘のコゼットに逢いたいというただ一つの希望について語り続けていました。
ファンティーヌはあまりにも強い希望をもっているために、マドレーヌ氏がコゼットを迎えに行って帰ってきたのだと思い込んでいました。熱に浮かされて、まだ遠くで暮らしている娘の声を聞くのです。

マドレーヌは冤罪のシャンを救うため自身の過去を告白し、逮捕状が出されてしまいます。
ジャン・バルジャン(マドレーヌ)は、逮捕される直前に、3日の猶予をくれというのです。その3日の間に、ジャン・バルジャンは病に冒され亡くなる間際のファンティーヌと、娘のコゼットを再開させようとしているのです。しかし残念ながらこれは実現しませんでした。物語は娘のコゼットに引き継がれます。




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レ・ミゼラブル(8) ユーゴー

今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ』
『第八編 反撃』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。


前回、市長であるマドレーヌ氏がすなわち生まれついての泥棒ジャン・ヴァルジャンであることが明らかとなりました。ユーゴーはマドレーヌさんの心理を描写する時に、猛烈に筆を走らせるのです。こんなことを書いています。


・(マドレーヌの内心の奥底をのぞくと)われわれは深い感動と戦慄を自ら禁じ得ない。
・海洋よりも壮大なる光景、それは天空である。天空よりも壮大なる光景、それは実に人の魂の内奥である。


すごい書きっぷりですよね。「俺の書いた小説を読んだらもう、深い感動と戦慄を禁じ得ないんだ!」って自分で書いて自画自賛しちゃってる。それでも納得して読めるんだからすごいと思います。こんなに筆が走っている小説というのも滅多に無いんじゃないかと思います。作者が興奮して書いているのがすごい伝わってくる文章ですよね。ユーゴーはこう書きます。

ある時を期して、考えに沈める一人の人の蒼白なる顔をとおし、その内部をのぞき、その魂をのぞき、その暗黒のうちをうかがい見よ。そこにこそ外部の静穏の下に、ホメロスの描ける巨人の戦いがあり、ミルトンの語れる竜や九頭蛇の混戦があり妖怪の群れがあり、ダンテの言える幻の渦がある。



過去の自分と決別したはずなのに、とマドレーヌ氏は葛藤しています。かつて泥棒であったマドレーヌ氏は、長い年月をかけて改心し、正直と善良に立ち戻って過去を乗り越えました。しかし、まったく不意に「昔の自分」にそっくりな人間が現れる。老人シャンと自分はまったく別人で無関係なんだと思おうとしても、どうしても無視できない。老翁の冤罪を晴らすためには「私が泥棒のジャン・バルジャンだ」と言わざるを得ない。彼は自首しようと決めるのですが、ただ本当のことを言って全てを失い、これまでの努力を台無しにすることがはたして善良な行いであるかと考えればけっしてそんなことはない。正直に生きるというのは、ただ事実をそのまま野方図に言えば良いということでは無い、とマドレーヌ氏は悩みます。


「天国のうちにとどまって悪魔となるか! あるいは、地獄に下って天使となるか!」
とマドレーヌは叫ぶのでした。マドレーヌは亡きミリエル司教に感化されて人生が変わったわけですから、キリスト教における「苦難を引き受ける」ということに信を置いているのであります。


その夜半、マドレーヌが見た夢というのがなんとも奇妙なんです。マドレーヌは夢の中で、男からこう述べられる。「君はどこへ行くんですか。君はもう長い前から死んでるということを知らないのですか。」


彼はなかば夢遊病者のように、シャンの裁判が行われる場へと馬を走らせる。関わり合いにならなければ、マドレーヌの未来はいっけん明るい。しかし彼は、危険であろうとも事実を知りたいと思うのでした。


いっぽう、病に倒れたファンティーヌはやや健康を取り戻し、マドレーヌ市長が娘のコゼットを連れて帰ってくれることを待ち望んでいます。マドレーヌは長い旅路の末、シャンの裁判が行われている場にたどり着きます。マドレーヌ氏はシャンの生い立ちを聞き、ついに裁判所でこう述べます。
「私がジャン・バルジャンである」
シャンマティユーの冤罪は晴れ、無事放免されました。
マドレーヌ氏は急ぎファンティーヌのもとへと引き返します。



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レ・ミゼラブル(7) ユーゴー

 
今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ』
『第七編 シャンマティユー事件』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、マドレーヌ氏の謎を追った部下のジャヴェルが、奇妙な事実を述べてゆきました。
それは市長のマドレーヌ氏が、じつは生まれついての泥棒であるジャン・バルジャンではないのか、という内容です。ジャン・バルジャンは姿をくらましいったい何者になったのか、ということが中心になって語られてゆくのです。


ジャン・バルジャンは市長になったのか。
それとも老いてからふたたび林檎を盗んだ泥棒なのか。


ジャン・バルジャンはミリエル司教から「正直に生きてゆくように」と言って渡された銀の燭台を握りしめてからのち、姿をくらませていて、そうして何十年もたってから、林檎を盗んだ罪で再び裁判にかけられようとしているようなのです。ところが、泥棒であるジャンらしき男は「私はジャンではない。シャンだ」と言って、とぼけ続けているようである。


ジャンと、老人シャンの共通点はというと、状況や名前の響きが似ているんです。
マドレーヌ氏とジャン・バルジャンは、状況がかなり違う。かたや市長であり、かたや泥棒です。それから名前も違う。しかし、人格はかなり似ていると言っていいと思います。かりに元泥棒が善いことをして生まれ変わろうと思ったら、屋根裏部屋に住む貧乏人の家の中に無断で立ち入って金貨を置いていったりすると思います。マドレーヌ氏には、どうしても常人には理解しがたい子どもじみた奇行が残っているんです。


ミリエルという猛烈な性善説を説く司教と、生まれついての泥棒ジャンが一緒になったら、たぶんマドレーヌ氏のような人間になる。馬車とがれきに埋もれた老人が、じつはツーロンの元囚人だったと知ったとたんに、青ざめながら一人で助けようとしたのも、納得がゆくんですよ。そこに自分が埋もれていたように思うからです。じゃあやっぱりマドレーヌ氏がジャン・バルジャンなのか。もしそうなら、マドレーヌ氏はこれからどうするつもりなのか。


ある死刑囚が牢獄の中で本を読む機会を得て、周囲からの期待に応えるように小説家になったという史実があるのですが、このレ・ミゼラブルという物語も人は状況次第で変わる、ということが書いてあるように思います。それでマドレーヌ氏はいろいろと状況を変えようと奮闘しているのだと思います。状況次第で変わるというよりも、人との出会いによって大きく変わっているのかもしれません。
 



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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
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レ・ミゼラブル(6) ユーゴー

 
今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ』
『第六編 ジャヴェル』を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
前回、かつて主人公ジャン・バルジャンを助けたミリエル司教が亡くなってしまいます。
生まれついての泥棒ジャン・バルジャンに、銀の燭台を与えた司教さんです。
ビヤンヴニュ閣下と呼ばれていたミリエル司教は、亡くなる数年前から盲目であったのですが、家族の献身的な介護によって幸福であった、と記されています。それはあたかも、天国での暮らしのような晩年であったようです。

また、前回登場した工場長マドレーヌさんというのが大変に人気のある変人なんであります。泥棒のようなまねをする、善人です。本文中にはこんなことが書いてあります。


・彼はたくさんの善行をなしたが、悪事を行なう時人が身を隠してするように、ひそかにそれをなした。彼は人知れず夕方多くの人家にはいり込み、そっとはしご段を上っていった。あわれな人が自分の屋根裏に帰って来ると、自分の不在中に戸が開かれてるのを見いだす。それも時としては無理にこじあけられてるのである。彼は叫ぶ、「ああどんな悪者がきたんだろう!」しかるに家にはいって最初に見出すところのものは、家具の上に置き忘れられてる金貨である。そこにやってきた「悪者」は、実にマドレーヌさんであった。


勝手に人家に入り込んで、金貨を置いて帰ってゆく。悪行と善行が一緒くたになった人物です。こんな人じっさいにいたらヤバいだろというような無茶な人格なのです。
この人が、のちに市長になります。
マドレーヌ氏はあるとき、馬車の下敷きになった老人を助けたら金貨20枚を出すと言うんですが、周りの若者は巨大な馬車が崩れ落ちるのを恐れて近づきません。「その下敷きになった老人は囚人だったのです。ツーロンの徒刑場の」というささやきを聞いて、その瞬間にマドレーヌ氏は青ざめます。青ざめながら、がれきのなかに身を投げ出して老人を救おうとします。
それを見た全員が馬車とがれきを押し上げて、老人は救われました。


いっぽうファンティーヌは、工場の働き手として、やっと自立して生活できるようになりました。
娘のコゼットを遠い町に預けているので、毎月仕送りをしていました。
悪い噂話をしたいがために躍起になる人々というのが登場して、ちょっとおそろしいです。
ファンティーヌは悪い人々の噂によって仕事を失ってしまいます。
このままでは、娘のコゼットと一緒に暮らすことができない。
ファンティーヌは惑乱します。
そのファンティーヌと、マドレーヌ氏が深い関わりをもってゆくのであります。
マドレーヌ氏はこのように述べます。
「あなたは再び仕合わせになるとともにまた正道に立ち直るでしょう」
ファンティーヌは喜びのあまり気絶してしまいます。




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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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レ・ミゼラブル(5) ユーゴー

 
今日はビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル 第一部 ファンティーヌ』
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このレミゼラブルは5部の構成になっています。第一部の主人公は「ファンティーヌ」です。第一部第3編に初登場した、4人の美しい少女たちのうちの一人です。本文にはこんなことが書いてあります。

・賢いのと分別があるのとは別である。ファンティーヌは賢い女であった。ファンティーヌの愛は、最初の愛であり、唯一の愛であり、誠ある愛であったと。
ファンティーヌは、いわば民衆の奥底から花を開き出したともいえるような者の一人であった。

・彼女は生活のために働いた。彼女はトロミエスを愛した。

 で、トロミエスというのが三十歳のいいかげんな男で、しわがよって歯が抜けていて、頭がハゲかかっているんですが、快活な態度なので女にもてる。ファンティーヌは女4人と男4人でピクニックに出かける。これ、フランスの現代映画とかで何度か見たことのあるシーンですよね。第3編は現代フランスっぽい話になっています。ファンティーヌは恋をして、笑って、最後に泣いてしまう。


 第4編で、ファンティーヌは子育てや工場での労働に疲れ切っていて、かつての可憐な印象を失っています。ファンティーヌは字を書けないんです。それで上手く働くこともなかなかできない。
 それからのちの主役となる少女コゼットも、第4編で生まれてますね。ファンティーヌの娘であります。


 
 



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