白痴(11) ドストエフスキー

今日はフョードル・ドストエフスキーの「白痴」その11を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
 
 
今回、ドストエフスキーが話題にしているのは、レールモントフの『マスカラード 仮面舞踏会』という戯曲なんです。これ日本語でも読めるらしいです。
 
 
ドストエフスキーのおもしろさは、理屈っぽくって説得力もあるのに、展開はすごく神秘的だ、というのがあると思うんです。
 
 
ふつうの物語では、こういうようにしたらこうなるはず、という理屈が積み重ねられてから、物事を進めるために、ちょっと神がかりな展開がある、と思うんです。ところがドストエフスキーは問答無用ですごい事態が起きる。そのあとに説得力のある思考が構築されてゆくという……破綻した事態の、逆転した配置が格好いいんだと思いました。
 
 
ガーニャはナスターシャとの結婚がムリだと判っているはずなのに、いまだに金目当ての恥ずべき結婚をしようと目論んでこれを公言している……。 危険なのはそこに愛がちっとも無いことなんです。フィアンセになるはずだった相手から直接「卑劣な人間だ」って言われてるのに、まだ結婚しようと考えるというのは……どういうことなんでしょうか。言い分がすこぶるおかしい。ガーニャは、ナスターシャが「謀叛でも起こそうものなら、さっそくおっぽり出して、金は僕のほうへまきあげてしまいますよ。僕は人の笑い者にはなりたくないのです」と言う。
 
 
ガーニャは自分がなぜ卑劣だと言われてしまうのか、それを理解していないんです。わたしはなぜ卑劣なのか? ということを、ついさっき殴ってしまった相手に質問して、その答えを求めてしまう。卑劣と言うよりも卑屈なガーニャと主人公ムイシュキンの問答が続きます。いろいろ話してみて、主人公はガーニャのことを卑劣なんじゃ無くって、弱い男で、子どもっぽいんだと判断します。なるほどと思いました。主人公ムイシュキンがみごとに諭すんですけど、あー自分もガーニャみたいな間違ったことを考えちゃうことが、あるよなあと思いました。
 
 
ガーニャはナスターシャと結婚して、大金をふんだくって賢く使い込み大儲けしてやろうと思っているんですけど、さらにこう発言します。「金が何よりも醜悪で汚らわしいのは人間に才能さえも与えるからです」いろんな人を恨んでいるガーニャなんですけど、金にまで恨みを持っているのか、と呆れかえりました。

 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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