蜘蛛の夢 岡本綺堂

今日は岡本綺堂の「蜘蛛の夢」を公開します。縦書き表示で全文読めますよ。
  
 
岡本綺堂は、小説の構成が整っていて、文体も現代語とほとんど変わらない文章で、近代文学の中ではもっとも読みやすいように思いました。
 
 
読み方がおかしいと我ながら思うんですけど、江戸時代ってほんの200年ほど前で、けど今とそれほど変わらなかったのかもなとか、やっぱ電気とEメールが無い時代って、太陽と天候と住み家が人間関係に直接影響を与えるんだなあとか、ハナシと関係ないところでいろいろ思うところがありました。
 
 
作中、こういう発言があります。「商売ごとは奉公人まかせで、主人は朝から晩まで遊び歩いていちゃあ仕様がない」「どうも新宿の方へ行くらしいんだよ」こんなの今の時代とまったく同じじゃん、と思うんです。電気もメールも無くっても、やることはあまり変わらない。
 
 
親戚がどうも新宿で遊び歩いているらしいという判りやすい謎と、判りにくい謎の2つが序盤から提示されていて、構成がほんと丁寧なんです。優れた現代小説でも読んでいるようです。
 
 
中盤での、落雷と蛇と蜘蛛の話しが神秘的で、どうも謎めいた人間関係があったようである。さらに別の失踪が明らかになる。
 
 
現代の海外ドラマとかでなら、謎が謎を呼んで事態が二転三転するという物語も良くあると思うんですけど、こんなに何度も展開をして楽しませる近代小説はめずらしいんじゃないかと思いました。
 
 
商いをちゃんと引き継げる婚姻をしてほしいという江戸時代らしい家族の願いがあって、蛇と死人の呪いという平安時代の源氏物語みたような神秘的な話しもあって……しかもそれが格調高く読みやすい現代語で書かれているので、日本語たのしいなーと思いました。
 
 
時代がちがう話しを読んでいると、現代の遊びの流行がどうして今このように展開しているのか、かえって見えてくるような気がしました。オチの一文までみごとでした。
 
 

 
 
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 幼かった頃の夢想のことを、ゲーテは「黄金の空想よ」と記します。ゲーテの詩には、神話的なものと理知的なものが混在していて、これが魅力のように思います。ゲーテはゲルマン神話と、とくにギリシャ神話の影響が色濃いようです。
 この詩集は生田春月が翻訳をした作品です。ゲーテは政治家としても活躍し、かのナポレオンからも尊敬されていた作家で、その言葉を詩で楽しめるというのは、なんだか嬉しいように思います。

  

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